2019 Fiscal Year Research-status Report
神経線維腫症2型における腫瘍微小環境免疫ゲノム解析による腫瘍増大の分子基盤の解明
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19K24023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺西 裕 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50844635)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 神経線維腫症2型(NF2) / 腫瘍微小環境 / 体細胞モザイク |
Outline of Annual Research Achievements |
神経線維腫症2型(NF2)は脳腫瘍が多発する予後不良な遺伝性疾患で、現在でも根治治療法が存在していない。NF2遺伝子の生殖細胞変異により細胞増殖カスケードが抑制機能を失うことが原因とされている。このカスケードを標的にした既知の分子標的治療薬は根治的ではなく、よってNF2腫瘍増大の分子基盤を解明や、新しい分子標的の探索が急務である。我々はこれまでに本邦で初めてNF2に関する網羅的遺伝子解析を行い、非腫瘍細胞のNF2変異、すなわち腫瘍微小環境がNF2関連腫瘍の増大に強く影響している可能性を発見した。本研究の目的はNF2関連腫瘍の腫瘍免疫に関する免疫ゲノム解析・マルチオミクス解析から、腫瘍内の細胞分画や微小環境の評価を通じ、NF2関連腫瘍増大の分子メカニズムを解明することである。 (A)腫瘍凍結検体RNA抽出及びRNA-seq. (2019年度中) 2019年度中にNF2患者、NF2モザイク患者、非NF2患者の聴神経腫瘍凍結検体をそれぞれ10検体ずつからRNAを抽出する。またRNAシークエンスは外注する (B)RNA-seq.data解析(t-SNE法, CIBERSORT, xCell)による腫瘍内細胞分画評価(2019-20年度中) 2019年途中からRNA-seqデータが得られ次第、それぞれの解析ツールを用いて腫瘍内細胞分画を評価する。2020年度中には解析を終了する。 これまでのところNF2関連腫瘍に関する発現解析を行っており、シークエンスは終了し、現在は情報解析の段階である。今後はsporadic 神経鞘腫や髄膜腫の発現解析およびメチル化解析を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在情報解析中であり、今年度中には結果をまとめていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年8月までに情報解析は終了する予定である。またはsporadic 神経鞘腫や髄膜腫の発現解析およびメチル化解析を予定しており、その結果も含めて2020年末までには結果が揃う予定である。
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Causes of Carryover |
発現解析の実施及び発注が遅れ、そのため費用請求が次年度になってしまった影響で初年度の使用額が、実験消耗品の購入のみと少なくなっている。
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Research Products
(1 results)