2019 Fiscal Year Research-status Report
軸索誘導因子Netrinに着目した悪性黒色腫の進展における腫瘍ー血管連関の解明
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19K24076
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
本田 尚郁 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10840085)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 悪性黒色腫 / 細胞増殖 / 細胞移動 / 転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
悪性黒色腫は口腔粘膜にも発生する悪性度の高い悪性腫瘍である。悪性腫瘍では腫瘍の成長に伴い、腫瘍細胞、血管内皮細胞、さらにこれらの細胞を支持する間質細胞から構成される腫瘍(がん)微小環境が構築される。この腫瘍微小環境内では細胞間同士がコミュニケーションをとり、腫瘍の増殖・浸潤・転移を制御する。Netrin-1は多くの悪性腫瘍細胞の移動・浸潤に関わるが、悪性黒色腫におけるNetrin-1の役割には不明な点が多い。 そこで、我々はまず、Netrin-1を過剰発現する悪性黒色腫細胞を樹立した。Netrin-1の過剰発現は細胞増殖に変化を与えなかったものの、移動能が著明に亢進していた。さらに、がん細胞の転移に関わるMMP-9の発現や活性がNetrin-1の過剰発現により上昇することを突き止めた。 次に、Netrin-1が悪性黒色腫の移動能を亢進するメカニズムを明らかにするために、Netrin-1が結合するレセプターに着目した。するとマウス悪性黒色腫B16細胞ではNetrin-1と結合しうる8種類のレセプターが発現していることがわかった。さらに、そのうちの数種類のレセプターはNetrin-1の量と並行してその発現量が上昇することがわかった。今後はこれらのレセプターをノックダウンした細胞を樹立し、Netrin-1の反応性を明らかにし、下流で働くシグナル伝達因子を同定していく一方で、動物にNetrin-1過剰発現細胞株を摂取し、in vivoでの細胞挙動を確かめていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスおよびヒトの悪性黒色腫細胞株を用いた実験が順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は樹立したNetrin-1過剰発現悪性黒色腫細胞をマウス に注入し、in vivoにおける細胞挙動を調査し、論文にまとめ上げていく予定である。
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Causes of Carryover |
数種類のレセプターはNetrin-1の量と並行してその発現量が上昇することがわかった。今後はこれらのレセプターをノックダウンした細胞を樹立し、Netrin-1の反応性を明らかにし、下流で働くシグナル伝達因子を同定していく一方で、動物にNetrin-1過剰発現細胞株を摂取し、in vivoでの細胞挙動を確かめていく。
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[Journal Article] Transducin-like enhancer of split 3 regulates proliferation of melanoma cells via histone deacetylase activity2019
Author(s)
Ogawa M, Yaginuma T, Nakatomi C, Nakajima T, Tada-Shigeyama Y, Addison WN, Urata M, Matsubara T, Watanabe K, Matsuo K, Sato T, Honda H, Hikiji H, Watanabe S, Kokabu S
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Journal Title
Oncotarget
Volume: 10
Pages: 404-414
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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