2021 Fiscal Year Research-status Report
骨吸収抑制薬関連顎骨壊死における術中感染骨検知液の新規開発
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19K24093
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
有本 智美 神戸大学, 医学部附属病院, 医員 (20841042)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 顎骨壊死 / 検知液 / 感染骨染色液 |
Outline of Annual Research Achievements |
薬剤関連性顎骨壊死(MRONJ)は,骨粗鬆症患者・骨転移を有する癌患者等において使用されるビスフォスフォネート製剤(以下BP製剤),デノスマブ製剤,血管新生抑制作用を持つ抗がん剤に関連して起こる口腔領域の疾患である.全ての薬剤の顎骨壊死は「感染」が引き金となっており,感染層の除去は非常に重要である.本研究の目的はMRONJに対して歯科臨床に用いられている染色液を応用し,感染骨の可視化を可能とし,正確な術中切除範囲を決定させ,低リスク・低コストかつ世界中の医療施設においてMRONJ患者に適応可能な新規感染骨染色液の開発をすることである. そのため本研究の計画として,MRONJにおける①ラット顎骨壊死モデル作成と,②感染骨染色液として最適な色素選択,③色素の濃度・溶媒分子量の最適化,④新規感染骨染色液の精度と有用性をin vivoで確認していく. 10週齢メスSpraque-Dawley ratを用い,実験群は抜歯7日前・抜歯時にZoledronic acidを静脈注射し,Control群では同量の生理食塩水を注射した.全身麻酔を施行後,抜歯を施行.ラウンドバーにて抜歯窩を整形し,抜歯後3週目に安楽死後, 下顎骨を摘出した.このプロトコールにより抜歯後3週目にControl群で全例抜歯窩治癒を認め,実験群において骨壊死を認めていることは以前より確認されていたが,この度の感染骨染色液適応に際し、より広範囲の骨露出が必要となり、試行錯誤を繰り返し,広範囲な骨露出を有するラット顎骨壊死モデルを安定的に作成することに成功した。現在、「感染骨染色液として最適な色素の選択」を終了し,検知液による骨削除後の再発の有無の検討を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
covid-19の影響により、実験施設が閉鎖されていた期間があったため、当初の研究計画よりやや遅れていたが、今年度は順調に研究を遂行可能であった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、研究計画書に沿って、研究を推進していきたい。 感染骨染色液を用いて、顎骨壊死モデルによる再発の有無の検討をする予定である。
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Causes of Carryover |
covid-19の影響により、実験施設が閉鎖されていた期間があったため、当初の研究計画よりやや遅れていたが、今年度は順調に遂行可能であり、研究も最終段階へと入ってきている。
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