2019 Fiscal Year Research-status Report
看護系大学における認知症高齢者の看護に関する倫理教育の実態把握と教育内容の検討
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19K24204
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
岩崎 涼子 富山県立大学, 看護学部, 助教 (80846155)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2021-03-31
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Keywords | 認知症高齢者 / 倫理教育 / 看護倫理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、我が国の看護系大学における認知症高齢者の看護に関する倫理教育の実態を把握し、倫理教育に最小限必要不可欠な教育内容(ミニマム・エッセンシャルズ)を明確にすることである。 1.学士課程における認知症高齢者の看護に関する倫理教育の実態把握 本邦の国立看護系大学における認知症高齢者看護の倫理教育に関して、教育の実態や課題を明らかにするため、WEBシラバスで公開されている記載内容を抽出・整理した。シラバス内容を閲覧できた大学は、41校(98%)であった。高齢者の倫理教育に関する教授内容については、8割以上の大学でシラバスに明記され充実している一方で、認知症高齢者の倫理教育については、3科目(4校)と限られていた。これら結果については、国内の学会で発表した。 2.認知症高齢者やその家族の看護を実践している看護職を対象とした調査 認知症高齢者の看護を実践している看護職の倫理的ジレンマの実態及び学習ニーズを明らかにすることを目的として、公的総合病院に勤務する看護職を対象とした質問紙調査を計画し、対象施設の看護部の責任者に研究協力の同意を得て実施した。調査内容は、倫理教育の受講状況、認知症高齢者の看護に関するジレンマ、認知症高齢者の看護における倫理を考えていくために学習を深める時期に関する考え等で構成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究を遂行するにあたり、病院における、認知症高齢者の看護に関する倫理教育の実態及び教育の必要性に関する考えも明らかにする必要があると考えた。目的を達成するため、同時進行で別に研究を行うことにしたが、本研究結果との比較もしやすくなるよう、調査内容を精選したりと、綿密に計画を練り直したため、倫理審査までに時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.学士課程における認知症高齢者の看護に関する倫理教育の実態把握 国立看護系大学だけではなく、公立および私立の看護系大学のシラバス及びシラバスに示された教授内容及び用いられている指定テキストを分析対象として、記述的研究を行い、看護系大学における認知症高齢者の看護に関する倫理教育の実態を明らかにする。 2.認知症高齢者やその家族の看護を実践している看護職を対象とした調査 調査票の集計、分析を実施し、認知症高齢者の看護を実践している看護職の倫理的ジレンマの実態及び学習ニーズを明らかにする。 3.研究1.2の結果を基に、認知症高齢者の看護に関する看護系大学における倫理教育に必 要な教育内容を抽出する。抽出した内容に関して、老人専門看護師や認知症認定看護師および老年看護学や看護倫理の授業を担当する教育者を対象としてコンセンサスメソッドの一つであるデルファイ法を用いて、最小限必要不可欠な教育内容を精選していく。
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Causes of Carryover |
令和元年度に予定していた看護系大学のホームページに公開されているシラバスの内容及び用いられている指定テキストの内容についての記述的研究が遅れており、必要なテキストや書籍が購入できなかった。次年度に実施予定のため、持ち越した。
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