2022 Fiscal Year Annual Research Report
Association between number of pain sites and nociceptive pain and neuropathic pain in community-dwelling elderly.
Project/Area Number |
19K24259
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Research Institution | Reiwa Heath Sciences University |
Principal Investigator |
齊藤 貴文 令和健康科学大学, リハビリテーション学部, 講師 (10849904)
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Project Period (FY) |
2019-08-30 – 2023-03-31
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Keywords | 疼痛 / 慢性疼痛 / 侵害受容性疼痛 / 神経障害性疼痛 / 疼痛の数 / フレイル / 睡眠障害 / うつ症状 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、侵害受容性疼痛と神経障害性疼痛を区別できるスクリーニングツールであるpainDETECTを用いて、疼痛の数と慢性疼痛タイプ(侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛)との関連を明らかにすることである。また、フレイル、睡眠障害およびうつ症状との関連も明らかにしていくことで、慢性疼痛の危険因子・保護因子の探索的な検討も行った。 研究期間全体を通じて実施した研究の成果、①疼痛の数の増加に伴い神経障害様症状を有するリスクは有意に上昇することが明らかとなった(第25回ペインリハビリテーション学会学術大会、BMJ Open 2023)、②複数ヶ所の疼痛はプレフレイルおよびフレイルの高いリスクと関連していた(IASP2021 Virtual World Congress on Pain)、③侵害受容性疼痛または神経障害様症状を有する高齢者は、これらの疼痛を有さない高齢者に比べ、うつ症状および睡眠障害のリスクが有意に高かった(第14回日本運動器疼痛学会)、④うつ症状および睡眠障害を有する高齢者は、両者を有さない高齢者に比べ、重度な慢性疼痛を有するリスクが有意に高かった(第51回日本慢性疼痛学会、PAIN Reports 2022)、⑤侵害受容性疼痛はプレフレイル、神経障害様症状はフレイルと有意に関連していた(第26回日本ペインリハビリテーション学会)。 メカニズムに基づいた疼痛治療が最適であるが、疼痛の背後にあるメカニズムを特定することは、臨床現場では困難であり、不可能なことが多い。したがって、臨床では、神経障害様症状およびフレイルの予防や管理のために、患者の慢性疼痛の数を評価することが必要かもしれないということを認識しておく必要がある。また、慢性疼痛の重症化を予防するために、うつ症状や睡眠障害も評価していく必要性が示唆された。
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Research Products
(4 results)