2022 Fiscal Year Research-status Report
Environmental Valuation and Household Behavior in a Developing Country; The Case of Kabwe, Zambia
Project/Area Number |
19KK0040
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
樋渡 雅人 北海道大学, 経済学研究院, 准教授 (50547172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 大地 広島大学, 人間社会科学研究科, 准教授 (40852637)
成田 大樹 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (50746485)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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Keywords | 環境評価 / 重金属 / 開発経済学 / 環境経済学 / ザンビア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,ザンビアの鉛汚染地域を対象に,環境の経済的価値を,汚染による経済的損失と改善のための支払い意思の双方のアプローチによって測定・推計し,両者のギャップについて検証することを主な目的としている. 鉛汚染の経済損失の推計については,既収集データに基づく分析が順調に進展し,論文公刊などの成果が挙がっている.IQの低下などを通した将来世代の稼得能力と死亡率の上昇に関わる将来世代の経済損失については,投稿論文が採択され,2023年3月に査読付国際学術誌に公刊された.鉛汚染の現在世帯への経済的損失の推計に関する論文についても,最終分析結果を固め,論文投稿に至っている. また,支払い意思額に関わる現地調査については,コロナ感染の影響が落ち着き,現地渡航が可能となったため,大規模調査のプレテストを現地で実施するなど,調査準備の点で大きな進展があった.8月の渡航においては,調査地であるカブウェに赴き,調査の質問形式,特に,今回新しく追加予定である支払い意思額や,回答者の時間やリスクに関わる選好に関する情報の収集法について,実際にいくつかの形式を住民に試すことで,調査形式の方針を定めることができた.そのうえで,3月に再び渡航し,カブウェにおいて,本調査と同様の手法でプレテストを実施した.その際には,インテビュアー3名を雇い,タブレットにインストールした世界銀行のSurvey Solutionsのアプリを実際に用いて,44名のデータを収集した.この結果を踏まえて,質問・選択肢の表現の修正を行った.これにより,質問票の内容や調査方式が固まった他,必要な時間,人員,予算などの目処が付き,次年度の8月に本調査を実施するための準備がほぼ整った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初から予定して現地調査が,コロナ感染の影響により延期となり,まだ実施できていないという点で,研究の進捗状況は遅れている.しかし,今年度,本調査のプレテストの実施などを無事に終えたことで,次年度に本調査を実施する目処がたった.また,鉛汚染の直接的な経済コストの推計に関しては,論文が公刊されるなどかなりの進捗があった.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の8月後半に,延期となっていたカブウェにおける本調査を実施予定である.今年度,現地におけるプレテストなども実施済みであり,準備は整っているため,大きなアクシデントが無い限り,実現したい.この調査は,これまでの調査では扱ってこなかった住民の支払い意思額や選好などのデータを収集することを目的としている.データ収集が完了したならば,その後は,環境の経済的価値について,健康影響などによる人々の直接的な経済的損失と、その改善のための人々の支払い意思額の,双方の観点から比較検討するという本研究の目的を達成するためのデータ解析に着手する.
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Causes of Carryover |
当初から予定していた現地における大規模調査が未実施のため,大きな未使用額が生じている.この調査については,本年度に現地でのプレテストを実施するなど本格的な準備を進めており,次年度の8月後半には実施する予定である.
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Research Products
(3 results)