2020 Fiscal Year Research-status Report
Long-term and high-resolution environmental reconstruction using natural carbonate
Project/Area Number |
19KK0083
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐野 有司 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (50162524)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 厚太朗 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (70463908)
鹿児島 渉悟 富山大学, 学術研究部理学系, 特命助教 (70772284)
高畑 直人 東京大学, 大気海洋研究所, 助教 (90345059)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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Keywords | 古環境復元 / 炭酸塩 / 地球化学 / 質量分析 / 年代測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,サンゴ骨格・鍾乳石・二枚貝など付加成長する炭酸塩試料について,高精度年代決定法と高解像度元素・同位体分析法を融合させることにより,過去の環境を長期間かつ高精度で復元することを目的とする.具体的には,炭酸塩試料のウラン-トリウム年代測定法の世界的権威である国立台湾大学のSHEN教授との共同研究を通じて,炭酸塩試料の年代を高精度で決定するとともに,二次イオン質量分析計(NanoSIMS)等を用いて高解像度の微量元素分析を行なうことによって,氷期・間氷期サイクルや地球温暖化に対してアジアモンスーン・エルニーニョ・太平洋十年規模振動がどのように対応してきたか,といった問題の解明を目指す. 2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響で,海外渡航を伴う人的な国際交流ができず,様々な制約の中でも実施可能な分析について進めた.レーザー誘起ブレークダウン分光分析法LIBSと高感度窒素安定同位体比質量分析法を組み合わせた,局所窒素同位体比分析法に関する基礎実験を行った.その結果,生物起源炭酸塩について数百マイクロメートルの領域から窒素同位体比を実用的な精度で分析できる可能性が示された. また,長寿二枚貝ビノスガイの分析を古環境復元に応用するために,局所分析法を用いて微量元素変動メカニズムについて検討した.殻のストロンチウム/カルシウム比とマグネシウム/カルシウム比については殻の微細構造に強く影響を受けることが明らかとなった.一方,バリウム/カルシウム比については環境変化の影響を記録している可能性が示された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響で,海外渡航を伴う人的な交流を進めることはできなかった.一方で,NanoSIMSやLA-ICP-MSを用いた分析や,LIBSを用いた新規分析手法の開発は順調に進んでいるため,全体では計画はおおむね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス感染症の影響が収まり海外渡航が可能になり次第,国立台湾大学を訪問しウランートリウム年代測定を進める.鍾乳石および二枚貝を用いた研究については成果が得られつつあるので研究を継続的に進めつつ,今後はサンゴ骨格を用いた古環境復元に新たに取り組む.
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染対策により研究活動が大きく制限され,一部を次年度に繰り越すこととした.全体の使用計画について変更はない.
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Research Products
(11 results)