2022 Fiscal Year Research-status Report
Super-resolution evaluation system of air pollution at pedestrian level
Project/Area Number |
19KK0105
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
稲垣 厚至 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (80515180)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 雄太 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究職 (10851016)
小野寺 直幸 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究職 (50614484)
|
Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
|
Keywords | 都市気象観測 / 大気汚染 / 数値シミュレーション / 都市大気境界層 / 接地境界層 / PM2.5 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではジャカルタを対象とした都市街区内における,微気候要素と,移動排出源を対象とした物質の空間分布評価を目的としており,数値流体力学モデルに基づく微気象シミュレーションと,現地の気象観測タワー及び地上観測網に基づく気象及び大気質の実測データを用いた検討を行うものである. 昨年度,ジャカルタにおけるタワー観測を実施するための場所の選定を行い,本年度に超音波風速計4台と,温度・湿度計5台,PM2.5濃度測定器5台を,最大地上高60mまでの高さに設置し,データの計測システムを構築した.しかしながら観測データを取得後に,観測地点が電磁波の影響を強く受ける地点であることが分かり,データの伝送方法の変更を行った.これまではアナログ電圧で伝送を行っていたが,アナログ電流またはシリアル通信に切り替えることで電磁波の影響をほとんど受けずにデータ取得できることを確認し,それらのデータを受信できるデータ収録機を作成した. 次に数値シミュレーションにおける地表面データの整備を行った.衛星オルソ画像から樹木の分布及び都市河川等の水域の分布を,AIで構築したモデルに基づき抽出し,ジャカルタ都心部周辺の地表面性状の分布データを作成した.樹木分布情報と,Digital surface model及びDigital elevation modelから樹高分布データを作成した.数値モデルに樹木による抵抗を表現するモデルを組みを行い,上記の樹高分布情報を入力することで植生抵抗を表現することができるようになった. その他に,ジャカルタ都市の微気候特性および海風挙動に関する原稿を英文学術誌に投稿し,査読結果に基づき修正稿を提出した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究の要である現地観測による大気環境評価の計画が,現地への渡航困難のため,遅れが生じている.しかしながら,本年度ジャカルタ中心地におけるタワー観測を開始することができた.
|
Strategy for Future Research Activity |
昨年度より開始した現地観測データを蓄積し,数値シミュレーションの結果と比較する.結果を取りまとめ論文雑誌に投稿する.
|
Causes of Carryover |
本研究が採択された後に発生したコロナ禍による現地への渡航制限が,本研究の要である現地観測に大きく響いた.計画を1年延長してデータを蓄積することに大きなメリットがあるため,本年度の観測メンテナンスに必要な予算を次年度に繰り越し,次年度の乾季のデータが蓄積できるようにした.
|