2023 Fiscal Year Annual Research Report
Super-resolution evaluation system of air pollution at pedestrian level
Project/Area Number |
19KK0105
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
稲垣 厚至 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (80515180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 雄太 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究職 (10851016)
小野寺 直幸 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, システム計算科学センター, 研究職 (50614484)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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Keywords | 都市気象観測 / 海陸風 / 都市大気境界層 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主にこれまで得られた気象観測データから,気象場や大気環境に大きな影響を及ぼす海風の挙動に着目した解析を行った. 風速,気温,湿度の長期観測データに基づき,ジャカルタにおける海風発生の気候学的特性について検討を行った.これまで検討されてこなかったジャカルタ湾岸からの海風発生時刻及び侵入速度に関する季節変化を上記の観測データに基づき明らかにした.ジャカルタにおける海風侵入速度について,乾季より雨季の方が早い時刻に海風が発生し,速い速度で侵入することを示した.その原因として,(1)雨季における日の出前後の雲からの下向き長波放射量が大きく,地表面近傍の気温が乾季より早く暖まることと,(2)雨季は夜間も下向き長波放射量が大きいため陸域での放射冷却が起こりにくくなり,夜間の陸風が弱められるためであることを明らかにした.月平均した海風侵入速度について分析したところ,室内実験で提案されている実験式がそれを概ね良い精度で再現できることが示された.海風の持続時間について分析したところ,乾季の方が雨季より3時間程度長くなることが示された.その理由として,乾季では都市が持つ大きな熱慣性により,海上気温との温度差がより長い時間持続されるのに対し,雨季は降雨による表面流出と蒸発の効果により都市が冷やされることで,より早く海風が止むことを指摘した. また,地上観測システムで得られたCO2濃度及びフラックスの変化傾向について検討した.これまで観測例のなかったジャカルタにおけるCO2フラックスの日変化から経年変化までの傾向を直接観測により明らかにした.
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