2019 Fiscal Year Research-status Report
Comparative Study on Agricultural Land Use and Formation of Land Use Order in Urban Fringe of South East Asian Countries
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19KK0165
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山路 永司 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 客員共同研究員 (10143405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 俊宏 明治大学, 農学部, 専任准教授 (10276165)
藤崎 浩幸 弘前大学, 農学生命科学部, 教授 (30209035)
山下 良平 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (40515871)
井上 果子 宮崎大学, 地域資源創成学部, 准教授 (70733129)
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Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2022-03-31
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Keywords | 国土利用計画 / ストラクチャプラン / 農家民泊 / 都市農地 / マレーシア |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はまず、研究計画全体の詳細化・具体化の打合せを2回行った。それに基づき、初年度はマレーシアに注力することとし、3月にマレーシアの土地利用制度およびクアラルンプール(以降、KLと称する)近郊の農地利用状況の調査を行った。具体には、研究協力者との打合せ、およびKL近郊農地および都心農地の現地調査である。その成果としては、マレーシアの土地利用制度の理解を深めることができた。また近郊農地、郊外農地の調査によって、土地利用の実態を把握することができた。 マレーシアの土地利用計画は具体には次の通りである。①我が国と同様に、連邦・州・地域の階層性を持ち上下の調整を行っている。②交通等の各種インフラと環境への影響を考慮して土地利用計画が定められる。③住居、産業、商業、レクリエーション活動等のレイアウト計画だけでなく、生活環境を改善し生活の質を向上させることを目的としている。首都KLは243km2の面積に179万人が居住している。ここでの土地利用計画を具現化したゾーニングでは、商業系、工業系、住居系等のゾーンが設定される。KLの範囲内には、農業的土地利用は設定されておらず、これは我が国において市街化区域内に農業振興地域が設定されていないことと同様である。 しかしながら、都市内にも緑地は必要であり、家庭菜園的・施設園芸的農業は存在する。マレーシア国全体での都市農業は2018年時点で11,000の個人および集団で行われている。またKL都心の河川沿い遊休地を利用した緑地では、野菜・果物栽培が地域活動であると同時に教育プログラムとしても機能していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3月上旬にマレーシア、クアラルンプールでの都市農地調査を全員で行う予定でいたが、COVID-19の広がりから、3人の研究分担者の所属先で、海外出張の自粛が要請され、結果、研究代表者および研究分担者2名での出張となった。先方の研究協力者は十分な準備をして下さっており、マレーシアの土地利用政策の考え方および手法の大略を学ぶことができた。 よって、やや遅れていると自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、昨年度に実施した基礎調査および国内外での現地調査を踏まえ、さらなる調査を行い、考察を深める予定であるが、5月中旬現在、大都市圏では緊急事態宣言が継続中のため対面での研究打合せ会議はできない。そこで各国の土地利用に関する法律・条例・規則・慣例の収集整理および各研究分担者の視点での考察は個別に行なった上で、ビデオ会議によって議論を行う。 海外の現地調査については、いつ再開できるのかの目途が全く立っていない状況であるので、当面は文献調査に注力するとともに、マレーシアおよびベトナムの研究協力者とはメールおよびテレビ会議を行うこととする。両国の研究協力者とは、これまでに関係を構築しているため、研究の目的・方法を再共有した上で、現地調査を研究協力者および大学院生等に委託することを考えている。海外現地調査が可能になり次第、現地に出かけ、委託業務の成果を確認するとともに、追加調査を行う。 副対象国としている、韓国、インドネシア、台湾については、当該国の研究者との関係構築および具体的研究計画を深めることに注力する。 2020年秋~冬には、海外との交流が再開できるであろうから、研究成果の中間取り纏めのために研究会を開催する。とくにKL市については取り纏め段階と位置づけており、研究協力者を招へいする。
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Causes of Carryover |
次年度使用が生じた最大の理由は、年度末の海外出張が予定通りの規模で実施できなかったためである。 今年度においては、今年度予算に昨年度の次年度使用額を加えた経費を、最大限活用する。具体には、副対象国の研究者との共同研究を、当初予定よりも推進したい。
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Research Products
(5 results)