2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19KK0199
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
横溝 岳彦 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (60302840)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城 愛理 (渡辺愛理) 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40726197)
|
Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2023-03-31
|
Keywords | Gタンパク質共役型受容体 / 生理活性脂質 / 創傷治癒 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)BLT2作動薬のスクリーニング Heptares社が保有するBLT2作動薬候補、約8,000種を用いてスクリーニングを開始した。BLT2作働活性がある12-ヒドロキシヘプタデカエン酸(12-HHT)、CAY10583を陽性コントロールとした。一次スクリーニングとして、BLT2過剰発現CHO細胞、mock-CHO細胞にカルシウム感受性蛍光色素Fluo-8をローディングし、化合物を10マイクロモル/Lの濃度で添加し、細胞内カルシウム上昇作用を観察した。BLT2作働活性が観察された8化合物に関しては、同細胞を用いて濃度依存性を検討すると当時に、TGFalphaシェッディングアッセイを用いてBLT2作働活性を定量評価した。残念ながら、12-HHTやCAY10583を越えるBLT2作働活性を有する化合物をライブラリー中に見いだすことはできなかった。 2)BLT2大量発現系の構築 Sf9細胞にBLT2を組み込んだバキュロウイルスを感染させる実験系でBLT2を大量に発現させる実験系を採用した。精製のためにBLT2のアミノ末端にFLAGタグ、カルボキシル末端にHisタグを融合させたBLT2発現ベクターを作製した。BLT2の動物種によって発現量に差が生じる可能性があるため、複数の動物種のBLT2遺伝子を組み込んだベクターを作製した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ申請書通りの研究が遂行できているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
Heptares社から提供された化合物ライブラリーからは高い活性を有する化合物を見いだすことができなかった。BLT2は12-HHTに加えて、12-HETE、15-HETE、ロイコトリエンB4などの酸化脂肪酸で活性化される。また、BLT2は腸管上皮に高発現し、BLT2欠損マウスではデキストラン硫酸飲水による腸炎モデルが悪化することから、腸内細菌との関連が推定される。そこで、今後は、腸内細菌が産生すると考えられている酸化脂肪酸ライブラリーを入手し、BLT2作働活性を検討することにした。既に国内の共同研究者から酸化脂肪酸ライブラリー提供の承諾を得ており、現在、共同研究契約を策定中である。BLT2作動活性が確認された酸化脂肪酸に関しては、濃度反応曲線を作製し、TGFαシェッディングアッセイを用いてBLT2作働活性を定量評価する。 平行してBLT2の過剰発現系を構築する。熱安定性をもたらすと考えられるアミノ酸変異導入を行い、大量発現用のBLT2発現ベクターを作成し、Sf9細胞に感染させてBLT2大量発現の培養条件を探索する。COVID-19が終息し、渡英が可能になった段階では、Heptares社に滞在し、変異BLT2の発現と精製を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
COVID-19まん延のため、予定していた英国Heptares社での実験を行うことができず、旅費・滞在費相当の230万円を繰り越すこととなった。翌年度はHeptars社に滞在し、受容体の大量発現、精製と結晶化を行う。
|