2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of rotavirus interspecies transmission mechanism in Nepal and the role of adults in rotavirus circulation.
Project/Area Number |
19KK0245
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
新 竜一郎 宮崎大学, 医学部, 教授 (90452846)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩下 華子 東京女子医科大学, 医学部, 准講師 (40742771)
高月 英恵 宮崎大学, 医学部, 助教 (80773978)
|
Project Period (FY) |
2019-10-07 – 2025-03-31
|
Keywords | ロタウイルス / ネパール / リアソータント / 種間伝播 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では種間伝播メカニズムおよびの動物ロタウイルスのヒトロタウイルスへの順応の過程を明らかにするとともに、種間伝播における成人の役割を探究する。そのために成人およびヒトの居住地域に住む動物および家畜(水牛、ブタ)で循環するロタウイルスの全ゲノム解析を行う。2023年度において成人下痢症患者より採取された217の便検体の解析を行ったところ、以下の興味深い結果が得られた。 ①都市部の成人下痢症患者の18.8%(41/217)からロタウイルスが検出され、ゲノム解析された検体のうち16.6%(4/24)はヒト‐ブタロタウイルスのリアソータント株であった。 ②非通常株G11P[25]株のヒトロタウイルスへの順応。過去に同定されたG11P[25]株はブタ、ヒト、未知の動物由来のロタウイルスで構成されていたが、新たに同定された2株のG11P[25]株の遺伝子型構成はG11-P[25]-I1-R1-C1-M1-A1-N1-T1-E1-H1であり、すなわち典型的なヒトロタウイルスWa-like型の遺伝子型構成であった。VP7・VP4の他9つの遺伝子分節の分子系統樹解析を行った結果、それぞれ現代のヒトロタウイルスとクラスターを形成していた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究開始当初、COVID-19の流行によりネパールでのサンプル収集が遅れていたが、現在は安定したサンプル収集が行われている。ネパールの首都カトマンズの感染症病院にて、成人下痢症患者より2021-2023年シーズンに250検体、2023-2024年に1000検体の便検体が採取された。2021-2023年の250検体の解析は終了しており、本年度はすでに採取・保管されている1000検体の解析を行う。また、家畜動物より採取された150の便検体についても同様に解析を行う。
|
Strategy for Future Research Activity |
ネパールの成人下痢症患者より採取された便検体1000検体、および家畜動物より採取された150検体の解析を行う。それと同時に行ったアンケート調査結果をもとに、ロタウイルス感染と下痢の重症度、動物接触歴および飲料水の水源の違いなどとの相関関係を明らかにする。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行により、ネパールでのサンプル収集が遅れ、解析の進行が思うように進展しなかったことが、次年度使用額が生じた理由である。次年度は、ネパールの成人下痢症患者より採取された便検体1000検体と、家畜より採取された150検体の解析を進める予定である。
|