2023 Fiscal Year Research-status Report
mitoTALEN法を用いた植物ミトコンドリアゲノム修復と細胞質雄性不稔の解析
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19KK0391
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
有村 慎一 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (00396938)
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Project Period (FY) |
2020 – 2024
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Keywords | ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
フランスストラスブール大学のJose Gualberto博士とその大学院生との共同研究は順調に推移しており、植物ミトコンドリアDNAの狙った位置をゲノム編集技術で切断したのちのDNA修復について、さまざまな変異体との交配と其の後代の準備が完成し、それらのDNAの出力のさまざまな、予測内と予測外の変化が確認された。これらの結果を現地で整理するとともに、そこから生まれた新たな仮説をもとに、引き続きの新しい研究と実験計画をたて、今後の日仏での作業分担を行なって帰国した。引き続きそれぞれの国での作業を続けるとともに、フランス側で困難になっていたバイオインフォ解析について、日本側の共同研究者を新たに紹介しブレークスルーに繋がった。INRAeベルサイユでは、別の共同研究である、植物のミトコンドリアゲノムの未知ORFが引き起こす雄性不稔現象について、データ検証と論文執筆の最終段階の打ち合わせを行った。結果として標的とした遺伝子が正解であり、日本側の技術でこれを特異的に破壊することで雄性不稔現象が解消されることが明らかになり、またフランス側ではこの雄性不稔植物とその回復系統を用いて、ドイツの研究者とともに細胞内でのATP量変化などの細胞生理を詳細に行うことに成功した。後述するようにBiorRxiveとして論文公開し、年度末時点ではイギリスでの専門国際学術誌の審査-改訂-再審査中という段階にある。また、年度末に豪州の研究者2名に来日してもらい、国際シンポジウムで発表してもらうとともに共同研究、並びに植物オルガネラを標的とした、DNAゲノム編集技術とRNA編集技術について議論を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
コロナによる閉鎖の間も両者でできる分担作業をやっていたことについて、直接に議論したことで、想定通り順調だった部分に加え、新しい研究課題が見つかり、議論が大変盛り上がった。引き続きの共同研究に繋がり、またJSPSのCore-to-Core事業に繋がり、また国際植物ミトコンドリア会議のフランス大会での議論の約束、並びにその次の国際会議の日本開催後押しをいただき、国際的に高い評価と日仏研究者の信頼と絆の形成につながった。また、年度末に豪州の研究者2名に来日してもらい、国際シンポジウムで発表してもらい、議論も深めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ストラスブール大学とのDNA修復の研究は、ちょうど2024年度中に担当大学院生の学位取得を目指した論文投稿になりまとまる予定である。2024年5月末に上記国際植物ミトコンドリア会議ICPMB2024に合わせて渡仏して、発表と議論を行う。INRAeベルサイユとの共同研究はすでに研究が完了し、論文が国際誌に掲載されるか否か、引き続き論文執筆と審査過程への協調努力を行う。ICPMB2024には豪州の研究者らも参加発表するため、そこで引き続きの研究情報交換と協働を行う。
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Research Products
(4 results)