2019 Fiscal Year Research-status Report
Biological sustainability of double-cropping supported by seasonal change in root microbiome
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19KT0011
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
谷 明生 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (00335621)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 敏央 岡山大学, 資源植物科学研究所, 教授 (00442830)
山地 直樹 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (00444646)
山下 純 岡山大学, 資源植物科学研究所, 助教 (20432627)
門田 有希 岡山大学, 環境生命科学研究科, 准教授 (30646089)
中川 智行 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (70318179)
最相 大輔 岡山大学, 資源植物科学研究所, 准教授 (90325126)
持田 恵一 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, チームリーダー (90387960)
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Project Period (FY) |
2019-07-17 – 2022-03-31
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Keywords | 二毛作 / マイクロバイオーム / 土壌ミネラル / 野生植物 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物の生育は植物の遺伝背景や環境要因等の相互作用の結果として捉えることができる。根圏微生物叢は植物の生育に多大な影響を与えており、逆に、植物の遺伝的背景や環境要因にも規定され、相互作用すると考えられる。本研究の目的は、圃場環境において微生物叢を含むあらゆるパラメータをデータ化し、それらの要因間のネットワークを可視化し,農業生態系としての季節変動動態を理解することである。 研究所実験圃場の慣行区と無施肥区において、アルミニウムに対する感受性の異なるイネとオオムギの品種対を対象に、隔週で各条件3植物個体ずつ(イネは6個体)サンプリングした。環境要因として、フィールドサーバーを用いて日照、降雨、温度、湿度、風向、風速を測定した。土壌環境データとして根圏土壌を採取し、ICP-MSによる水抽出可能な元素の組成を測定し、土壌センサを用いて土壌pHを測定した。さらに土壌の根圏微生物DNAを精製し、16S rRNA遺伝子アンプリコンシーケンスを行った。 施肥の有無によりイオン等の動態は変化し、pHは慣行区で低く、カリウム、リンは慣行区で高濃度であるが早い時期に消費された。慣行区の硫黄、無施肥区のマグネシウム、マンガン、銅が落水により増加した。同じく落水によると考えられるヒ素の増加、カドミウムの低下が無施肥区で見られた。 微生物叢は、イネではMassilia属、Pseudomonadaceae、Oxalobacteraceaeがstar1で多い傾向が見られた。オオムギでは根圏土壌と根のサンプルで相違が見られ、根のサンプルにのみJanthinobacterium, Methylibium属細菌が多く存在することが分かった。これらはオオムギ根のエンドファイトであると考えられ、そのオオムギに対する共生機構や成長への影響に興味が持たれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りのサンプリング、データ取得を行っている。三年間を通じて繰り返し、統計的な解析により一般性を持つモデルへと昇華させる。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進んでおり、これまで通り進める。データのばらつきをおさえるためにサンプルサイズを増加することも考慮に入れている。
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Causes of Carryover |
年間を通じたサンプリングにより大量のサンプルが生じる。アンプリコンシーケンシングのコストを下げるために全て一度で処理することと、作物の栽培期間との関連から、会計年度をまたいで計画的に使用している。予想以上にコストが下がった場合は土壌微生物のメタゲノム解析を行っておき、アンプリコンシーケンシングとのバイアスの有無の解析、また土壌微生物叢のリファレンスとして利用する。
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