2008 Fiscal Year Annual Research Report
超広帯域ミリ波サブミリ波観測による大規模構造の進化の研究
Project/Area Number |
20001003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Specially Promoted Research
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河野 孝太郎 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 准教授 (80321587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川辺 良平 国立天文台, 野辺山宇宙電波観測所, 教授 (10195141)
松原 英雄 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 教授 (30219464)
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Keywords | ミリ波サブミリ波 / 大質量星形成銀河 / 大規模構造 / 宇宙の星形成史 / 超伝導カメラ / 超広帯域分光 |
Research Abstract |
平成20年度は、南米アタカマ砂漠の高地に設置した口径10mのサブミリ波望遠鏡ASTEとそれに搭載したボロメーターカメラAzTECを用いて、波長1.1mm帯での大規模な深宇宙掃天観測を遂行した。これまでに、比較的狭く、しかし深い掃天観測として、0.4〜1.0mJy(1σ)の深さで合計約0.76平方度を、また、比較的浅いが広い掃天観測として、1-3mJy(1σ)の深さで合計約1.3平方度を観測した。この掃天観測には、すばる望遠鏡による深い撮像がなされた領域(Subaru Deep Field、Subaru XMM-Newton Deep Survey、SSA 22)や、あかり衛星による深い撮像がなされた領域(Akari Deep Field South=ADF-S)などのほか、主要な多波長深宇宙探査領域が含まれている。更に、高赤方偏移原始銀河団候補合計約40領域でも、深さ0.6-1mJy(1σ)で合計約1.5平方度を観測できた。これは、過去約10年間に世界のサブミリ波観測装置(JCMT望遠鏡搭載SCUBAカメラ、IRAM望遠鏡搭載MAMBOカメラ等)が行ってきたサーベイ面積を一挙数倍に拡大するものである。これら膨大なデータの初期解析結果から、SSA22方向では、多量のダストに覆われサブミリ波で輝く大質量星形成銀河(サブミリ波銀河)数10個が赤方偏移3付近(宇宙年齢30億年を切る時代)に集合している様子を発見した。個々の銀河は1年間あたり数1000太陽質量に相当する膨大な量の大質量星を形成している"怪物"であり、このような"怪物"であるサブミリ波銀河の3次元的な集が発見されたのはこれが世界で初めてである。また、ADF-S領域では、サブミリ波銀河の個数密度分布関数についてかつてない深い制限を、Bullet銀河団方向では、これまでに最も明るい部類に属するサブミリ波銀河を発見することに成功した。
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Research Products
(14 results)