2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20001004
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北岡 良雄 Osaka University, 基礎工学研究科, 教授 (70110707)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 和正 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (90109265)
木村 剛 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (80323525)
八島 光晴 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (10397771)
大貫 惇睦 大阪大学, 理学研究科, 教授 (40118659)
伊豫 彰 産業技術総合研究所, エレクトロニクス研究部門, グループ長 (50356523)
|
Keywords | 強相関電子系 / 高温超伝導現象 / 反強磁性磁気秩序 / Fe系プニクタイド超伝導体 / 重い電子系超伝導体 / 磁気秩序誘起強誘電体 / NMR / NQR / 物性理論 |
Research Abstract |
多層型銅酸化物高温超伝導体の系統的な研究から理想的なCuO_2面の電子相図を確定し、5層型では17%、4層型の系では15.5%のキャリア濃度まで反強磁性金属が安定し、超伝導ともミクロに共存するという、従来の高温超伝導の相図とは全く異なる結果を得た。これらの結果は、低ドープのCuO_2面に普遍的な性質であること、反強磁性磁気秩序の臨界点が層間結合の強さによって変わることを示し、高温超伝導現象の謎の解明に向けて大きな手がかりになると期待される(北岡、伊豫)。超高圧合成法により、酸素欠損型新鉄系超伝導体NdFeAsO_<1-y>を発見し、鉄系では最高レベルの臨界温度T_c=54K、また、LnFeAsO_<1-y>(Ln : ランタノイド元素)が、Ln=Nd〜Dyの範囲でT_c>50KのT_cを持つことを明らかにした。新鉄系超伝導体(Ca, Na)Fe_2As_2(T_c=26K)を発見した(伊豫)。物性測定に耐えうるLn=La〜Dyの単一相試料を安全かつ再現性良く作製する手法を確立し、鉄ニクタイド超伝導体のAsサイトおよびFeサイトのNMR実験を行い、超伝導ギャップ対称性は、これまでに例のない拡張s波である可能性を示唆し、その背景にある電子状態は、反強磁性揺らぎは関係ことを明らかにした(北岡、八島、伊豫)。結晶反転対称性のない正方晶のCeIrSi_3が圧力2.6GPaで量子相転移を起こし、超伝導の上部臨界磁場H_<c2>が約45Tに達することを実験的に明らかにした(大貫)。価数転移の量子臨界点が磁場により誘起されることを理論的に示し、これがCeやYbを含む重い電子系で起こっていることを論じた(三宅)。磁気秩序誘起強誘電体であるTLA-CuCrO_2の単結晶試料を育成し、その電気磁気特性を調べ、120°スピン構造の出現に伴う面内方向への強誘電分極の出現が観測され、磁気対称性の考察からCuCrO_2における電気分極の出現がスピンカイラリティに起因することを示した(木村)。
|
Research Products
(108 results)