2009 Fiscal Year Annual Research Report
Fe系物質の超高圧下での挙動と最下部マントル~内核の物質科学
Project/Area Number |
20001005
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
入舩 徹男 Ehime University, 地球深部・ダイナミクス研究センター, 教授 (80193704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 卓久 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 教授 (70403863)
西山 宣正 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 准教授 (10452682)
大藤 弘明 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 助教 (80403864)
丹下 慶範 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 助教 (70543164)
桑山 靖弘 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 助教 (00554015)
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Keywords | 固体地球物理学 / 超高圧実験 / 地球・惑星内部 / 第一原理計算 / マントル・核 |
Research Abstract |
新たに導入された6000トン超高圧合成装置の立ち上げをおこなうとともに、超高硬度ナノ多結晶ダイヤモンド(ヒメダイヤ)の大型化をおこなった。この結果、6-7mmのヒメダイヤの合成に成功するとともに、そのルーチン化をおこなった。このようなヒメダイヤに、パルスレーザー等を用いて加工をおこない、様々な超高圧装置用アンビル材への加工をおこなった。ダイヤモンドアンビル装置への応用により、100GPa・5000K領域におけるヒメダイヤの単結晶に比べる優位性を示した。また、マルチアンビルへの応用により、6-8-2加圧方式を用いて125GPaというこれまでの限界を打破するとともに、ドリッカマー型装置への応用も開始した。 下部マントル領域におけるパイロライト組成の相転移、密度変化、元素分配に関するマルチアンビル装置を用いた実験により、Fe分配に対するスピン転移の影響を評価した。また、Fe_2O_3-Al_2O_3-MgSiO_3系、あるいはこの部分系の組成に対して、下部マントル領域までの実験をおこない、相関係や密度変化を明らかにするとともに、Fe_2O_3の新しい高圧相を見出した。また、超音波速度測定法の改良により、下部マントル上部領域における弾性波速度精密測定を可能にした。一方、核に関してはFe-Si系の相関係を核条件下で明らかにするとともに、第一原理計算により核条件下でのFeの安定構造探査をおこなった。後者の結果、Feの新しい乱層構造を発見し、内核中における弾性的異方性がこの相により説明できることを示した。 以上のように、ヒメダイヤの合成と超高圧装置への応用、下部マントル領域での弾性波測定技術の開発などの革新的実験技術開発に基づいて、下部マントルの物質科学に関連する重要な成果を得るとともに、内核におけるFeの結晶構造に関してもインパクトの高い研究成果があがりつつある。
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Research Products
(71 results)