2011 Fiscal Year Annual Research Report
Fe系物質の超高圧下での挙動と最下部マントル~内核の物質科学
Project/Area Number |
20001005
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
入舩 徹男 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 教授 (80193704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 卓久 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 教授 (70403863)
西山 宣正 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 准教授 (10452682)
大藤 弘明 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 助教 (80403864)
丹下 慶範 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 助教 (70543164)
桑山 靖弘 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 助教 (00554015)
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Keywords | 固体地球物理学 / 超高圧実験 / 地球・惑星内部 / 第一原理計算 / マントル・核 |
Research Abstract |
大型NPD(ヒメダイヤ)を利用したマルチアンビル装置(6-6加圧方式、6-8加圧方式)への応用を試みた。前者により30GPa近い圧力の発生に成功するとともに、NPDの高い透光性を利用した試料部の直接光学観察をおこなった。また後者はSDアンビルを用いた予備実験をおこない、NPDアンビルの本格利用に向けた最適化をおこなった。DACへの応用に関しては、高圧X線吸収測定や中性子実験への応用を中心におこなった。 SDアンビルを用いたマルチアンビル装置により、50~60GPa領域における構成相間のFe分配実験をおこなった。試料の化学分析等の詳細については現在進行中である。また、SDアンビルを用いた実験により、この程度の圧力領域までMgSiO_3およびCaSiO_3ペロブスカイトや、SiO_2の状態方程式の精密決定をおこなった。 核物質に関しては、レーザー加熱DAC実験により、内核条件におけるFeの結晶構造を融点を超える領域まで明らかにした。またFe-Niに加え、特に軽元素としてSi、Sを想定した核領域での実験をおこなった。 一方、第一原理電子状態計算法を用い、特に珪酸塩ペロブスカイト、ポスト・ペロブスカイト、ペリクレース、金属Feに着目し、不純物イオン固溶のメカニズムと高温相平衡及び弾性への影響を明らかにした。また、特に熱伝導率や変形機構などの輸送特性予測のための計算手法の開発をおこなった。 更に、下部マントル上部領域に対応する高温高圧条件下で、アルミナを試料とした弾性波速度測定をおこなった。高周波信号発生システムの改良をおこない、超音波測定システム全体のS/Nの向上を図り、高い精度での測定を可能にした。また、珪酸塩イルメナイトやペロブスカイトの良質多結晶体の合成技術の開発をおこない、得られた試料を用いて高温高圧下での弾性波速度測定を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NPDを利用した最高圧力の発生には至っていないが、その様々な超高庄実験への新しい応用に関して成果があがっている。また、SDやDACによる実験において、ほぼ当初の計画を達成するとともに、下部マントル領域における弾性波速度測定技術の開発にも成功した。また、第一原理計算分野との共向研究も順調に進んでおり、両者の共同による新高圧相の発見など、新しい成果が得られている。更に、新しい試みとしてレーザー圧縮法による超高圧実験技術の開発も試みつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
NPDやSDを用いたマルチアンビル実験では引き続き100GPa領域での高温高圧発生技術の開発をおこなうとともに、この領域でのマントル物質の相転移・元素分配・状態方程式精密決定を目指す。DACに関しては、最高圧の限界が現状のNPDでは250GPa程度を超えることが困難であり、その特性を生かしたX線吸収実験・中性子実験への応用を中心に推進する方向に方針を転換する。弾性波速度測定に関しては、良質燒結体合成の新しい手法開発に取り組みとともに、下部マントル領域でのマントル物質に対する精密測定をおこなう。単結晶を用いたDAC実験に関しては、CO_2レーザー両面加熱によるマントル最下部~核領域での、Fe系の融点の決定を試みるとともに、第一原理計算分野との共同を引き続きおこない、この領域での高圧相の物性予測とその検証をおこなう。更に新たな試みとして、スプリング8において利用が開始された自由電子レーザーの新ビームライン(SACLA)において、テラパスカル領域を念頭においた超高圧発生と、X線回折同時測定技術の開発をおこない、系外惑星(スーパーアース)の内部構造も視野に入れた予備的研究も開始する。
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Research Products
(125 results)
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[Journal Article] Spin transition of ferric iron in Al-bearing Mg-perovskite up to 200 GPa and its implication for the lower mantle2012
Author(s)
Fujino, K., Nishio-Hamane, D., Seto, Y., Sata, N., Nagai, T., Shinmei, T., Irifune, T., Ishii, H., Hiraoka, N., Cai, Y.Q., and Tsuei, K.D.
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Journal Title
Earth Planet. Sci. Lett.
Volume: 317-318
Pages: 407-412
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] The stability of magnesite in the transition zone and the lower mantle as function of oxygen fugacity2011
Author(s)
Stagno, V., Tange, Y., Miyajima, N., McCammon, C., Irifune, T., and Frost, D.J.
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Journal Title
Geophys. Res. Lett.
Volume: 38
Pages: L19309
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Phase transformations of Ca3Al2Si3O12 grossular garnet to the depths of the Earth's mantle transition zone2011
Author(s)
Greaux, S., Nishiyama, N., Kono, Y., Gautron, L., Ohfuji, H., Kunimoto, T., Menguy, N. and Irifune, T.
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Journal Title
Phys. Earth Planet. Inter.
Volume: 185(3-4)
Pages: 89-99
DOI
Peer Reviewed
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