2008 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロアレイによる肺癌のメチル化網羅的解析と診断・治療のターゲットの検討
Project/Area Number |
20012009
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
畑田 出穂 Gunma University, 生体調節研究所, 准教授 (50212147)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀居 拓郎 群馬大学, 生体調節研究所, 助教 (00361387)
堀井 明 東北大学, 医学研究科, 教授 (40249983)
落谷 孝広 群馬大学, 国立がんセンター・研究所, 室長 (60192530)
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Keywords | エピジェネティクス / DNAメチル化 / マイクロアレイ / miRNA |
Research Abstract |
DNAメチル化をはじめとするエピジェネティクな変化は、癌化において癌抑制遺伝子の不活性化などをとおし重要な働きをしている。申請者らはこれまでにマイクロアレイを用いたDNAメチル化の網羅的解析技術を用いて肺癌でメチル化の変化を示す遺伝子をみいだしてきている。これらにはmiR-29などをはじめmicroRNA(miRNA)がコードされる領域が多く含まれている。miRNAと癌との関連は近年、重要な話題のひとつであるとともに、それが小分子であることから治療への可能性を秘めた注目すべき研究対象である。しかしながら逆に不安定な小分子のRNAであるがゆえ臨床サンプルを用いた研究、診断の対象としてむつかしい。そこで本研究ではmiRNA自体ではなく、それをコードする安定なDNAのメチル化を対象として網羅的解析をおこなう。また癌でメチル化されていたmiR-29はターゲットがDNAメチル化酵素のDnmt3であり癌細胞に導入すると癌抑制遺伝子が脱メチル化されることがわかっている。そこで癌化においてmiR-29の発現が減少したためDnmt3が増し、miR-29遺伝子がメチル化され不活性化するというフィードバック制御が存在する可能性がある。このことは逆にmiR-29を一時的に導入してやればDnmt3が抑制され、内在性のmiR-29遺伝子が活性化、さらには癌抑制遺伝子が活性化することを示唆する。そこでこの可能性を検証するとともに遺伝子治療の可能性を検討した。その結果、miR-29の細胞への導入によりmiR-29転写調節領域のメチル化の変化はおこらず、フィードバック制御仮説はなりたたないことがわかった。そこで今後は、他の転写調節領域でメチル化の変化があったmicroRNAについて肺癌細胞への遺伝子導入あるいはLNA,siRNAなどによる遺伝子抑制により細胞増殖、アポプトーシスなどの機能を解析する。またこれらのmicroRNAについてターゲット解析ソフトや、miRNAを導入した細胞の遺伝子発現マイクロアレイ解析を併用してターゲット遣伝子を同定する。
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[Journal Article] Dicer is required for maintaining adult pancreas2009
Author(s)
Morita S, Hara A, Kojima I, Horii T, Kimura M, Kitamura T, Ochiya T, Nakanishi K, Matoba R, Matsubara K, Hatada I
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Journal Title
Peer Reviewed
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