2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20056016
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松尾 道憲 Kyoto University, 農学研究科, 助教 (00335308)
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Keywords | コレステロール / ABCトランスポーター / 膜脂質ラフト |
Research Abstract |
多くのABC(ATP-binding cassette)トランスポーターが脂質トランスポーターとして働き、脂質恒常性維持に関与することが分かりつつある。本研究課題では、末梢細胞の脂質恒常性維持に重要な役割を果たす脂質トランスポーター(ABCA1と1BCG1)を中心としたトランスポートソームと細胞膜環境(膜脂質ラフトやアクチン細胞骨格)との相互制御機構を明らかにすることを目的として実験を行った。 界面活性剤による分画実験で、ABCA1がTdtonX-100,Brij96に可溶性であるのに対し、ABCG1がいずれに対しても不溶性であることが分かった。さらにABCG4はTritonX-100に可溶性であるが、Brij96には不溶性であることが分かった。密度勾配超遠心による分画実験でもこのことを確かめ、ABCA1がノンラフトに局在するのに対し、ABCG1,ABCG4がそれぞれTritonラフト、Brijラフトに局在することを明らかにした。これらのことは、ABCA1,ABCG1,ABCG4がそれぞれ細胞膜の異なるミクロドメインに局在することを示す。さらにこの局在の違いが、それぞれのトランスポーターの基質の違いを説明することを示唆した。 ABCG1との相互作用分子を探索し、コレステロール合成を制御する分子と相互作用することを見出した。このことから、ABCG1を介した細胞からのコレステロールの排出と細胞内でのコレステロール合成が統合的に制御されていることを示唆した。
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