2009 Fiscal Year Annual Research Report
基幹脳ネットワーク活性化効果をもつ超高周波成分の帯域構成に関する検討
Project/Area Number |
20200008
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
森本 雅子 National Center of Neurology and Psychiatry, 神経研究所疾病研究第七部, 室長 (50312210)
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Keywords | 脳・神経 / 医療・福祉 / ハイパーソニック・エフェクト |
Research Abstract |
研究の2年目にあたる21年度は、研究計画に沿って以下の成果を得ることができた。 (1) 基幹脳活性化効果をもたらす超周波数帯域の上限の検討 初年度に開発した実験用音源および超高周波再生システムを用いて、ローパスフィルタによって抽出した遮断周波数以下の低域成分だけを呈示した場合と、そこにハイパスフィルタによって抽出した遮断周波数以上の超高周波成分を共に呈示した場合とで、基幹脳の活性を反映すると考えられる頭頂後頭部の脳波α2成分に違いが生じるかどうかを検討した。同様の実験を、異なる数種類の遮断周波数を設定して行った。この結果、遮断周波数の設定によって被験者の脳波α2成分の反応が異なる傾向があることを見出し、基幹脳活性化効果をもたらす超周波数帯域の上限はかなり高い周波数帯域にあることが予想された。 (2) とくに顕著な基幹脳活性化を導く周波数帯域の検討 基幹脳ネットワークの活性化を効果的かつ安全に導く超高周波成分の特性のうち、とくに顕著な基幹脳活性化を導く周波数帯域を検討した。まず、超高周波成分を大きく2つの帯域に分割し、脳波計測を行った。可聴音のみ呈示した場合に比較して、超高周波成分を共に呈示した場合に、基幹脳の活性を反映すると考えられる頭頂後頭部の脳波α2成分がどれだけ増加したかを調べた結果、より高い周波数帯域成分の場合に脳波α2成分の増加分が大きいことを、統計的有意性をもって見出した。さらに詳細に検討するため、狭い帯域のバンドパスフィルタによって超高周波成分を帯域制限して同様の実験を行った。この結果、特に顕著に脳波α2成分を増加させる周波数帯域が存在することを見出した。
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