2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
Awareness, self-reflection, and mind-reading : Genesis and functions of cognitive meta-processes
Project/Area Number |
20220004
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cognitive science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
FUJITA Kazuo Kyoto University, 大学院・文学研究科, 教授 (80183101)
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Project Period (FY) |
2008 – 2012
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Keywords | 進化・発達(細目表) / メタ認知 / 意識 / 内省 / 読心 / 心の理論(細目表以外) |
Research Abstract |
本研究の目的は、意識や内省と呼ばれる自身の心の内部への能動的アクセスの発生過程を、広範な種比較と発達比較により実証的に検討することを通じて、読心あるいは心の理論などと呼ばれる他者理解のメカニズムを明らかにすることである。 自身の心の内部への能動的アクセスは、成人において高度に発達した認知機能である。この心への能動的アクセスは他者にも向けられ、読心や心の理論と呼ばれる他者理解の機能を実現する。だがこれらの高度な営みは成人において突如出現するわけではない。それは40億年にわたる進化史と20年に及ぶヒトの生育史を背景に形作られるものである。 近年、こうした認知的メタプロセスの発生過程に関する実験的研究が世界的に活性化している。従来この機能の実現には言語が必要だと考えられてきたが、比較認知科学や発達認知科学の進歩により、言語は必要条件ではないこと、思いのほか多様な生活体に、多様な形でこの機能が存在していることがわかってきた。本研究は、ヒトとは何かを理解する上で不可欠と考えられる認知的メタプロセスの発生を、多様な生活体と手法を用いて、多角的かつ組織的に明らかにし、それを通じて他者理解のメカニズムとその発生過程を明らかにしようとするもくろみである。 具体的には、1)メタ記憶と情報希求行動、2)確信度の認知とリスク選択、3)エピソード記憶と未来計画、4)感情の認知と制御、5)共感と他者理解という5つの問いに沿って、ヒト、非ヒト霊長類、食肉類、有蹄類、齧歯類、鳥類の行動を分析し、可能な限り直接比較する。ヒト及び非ヒト霊長類の一部については、可能な限り発達比較をおこなう。
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Research Products
(12 results)