2012 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光分光を応用した神経細胞の個体脳における同定と聴覚神経回路機構の研究
Project/Area Number |
20220008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大森 治紀 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30126015)
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Project Period (FY) |
2008-05-12 – 2013-03-31
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Keywords | 蛍光電極 / パッチクランプ / 分光器 / 神経細胞 / 聴覚神経回路 / オレゴングリーンBAPTA / Field-L |
Research Abstract |
平成24年度は蛍光電極法を個体脳での神経活動解析に応用する事を主な目的として研究を進めた。さらに、聴覚系の神経活動の解析への応用を目指して研究を進めた。結果として両方の目的はおおむね達成された。個体脳への応用の前に、マウス海馬脳切片標本を用いた神経活動の記録を試みた。海馬歯状回顆粒細胞にオレゴングリーンBAPTA-1(OGB-1)をAM型を用いて逆行性に充填し、さらに逆行性の電気刺激に対する顆粒細胞の電気活動に対応する細胞内Ca応答を蛍光電極法で電気記録と同時に計測できた。ここでは、スペクトル分光法と干渉フィルターとホトマルによる高速測光法を比較した。高速測光に対して分光法はCCD素子上での光子の積算過程が関与する分、S/Nには優れるが時間分解能が下がり、結果として測光シグナルが小さくなることが明らかになった。しかし、高いS/N比と全波長を同時に観察できるメリットがあり、システムの開発過程には欠かせない手法であることも明らかになった。次にトリの聴覚皮質である脳深部に位置するField-Lでの聴覚応答の蛍光電極法による解析を試みた。OGB-1AMを用いて染色した皮質神経細胞から神経活動と完全に同期したCa応答が記録出来た。ここではGABA性の抑制性神経活動を阻害することにより1Hz程度の徐波が増強され連続した自発的なCa応答を引き起こした。さらに脳表面から6-7mm深部に位置する下丘から聴覚応答をCa信号として記録し、個体脳深部から蛍光信号を電気信号と同時に記録する当初の目的は達成した。今後はField-Lでの解析を進め、大脳皮質に特徴的な電気活動である徐波と聴覚入力との関連を、OGB-1以外の蛍光指示薬あるいはFRET蛍光蛋白も用いることにより、電気活動と相関する様々な蛍光シグナルを解析する事で、トリの大脳皮質聴覚野であるField-Lの機能解明に迫りたい。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)