2011 Fiscal Year Annual Research Report
疾患のシステム的理解を目指したIL―1関連遺伝子欠損マウスライブラリーの作製
Project/Area Number |
20220009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩倉 洋一郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10089120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海部 知則 東京大学, 医科学研究所, 助教 (90343037)
唐 策 東京大学, 医科学研究所, 助教 (00572166)
馬 光宇 東京大学, 医科学研究所, 助教 (60572162)
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Keywords | サイトカイン / 疾患モデル動物 / 自己免疫疾患 / Th17細胞 / 間接リウマチ |
Research Abstract |
動物細胞が分泌するサイトカインと呼ばれる一群の蛋白質は情報伝達物質として機能しており、感染症、自己免疫、肥満、糖尿病、発熱、ストレス応答など種々の疾病の病態形成や生体の恒常性維持において重要な役割を果たしている。そのため、サイトカインを標的とした治療法が開発され、創薬の分子標的として注目されている。これらの疾病は単なる個々の臓器、細胞の異常ではなく、多くの因子が複雑に相互作用し病態発症に至ることから、個体レベルの解析が疾病の理解には必要である。本研究ではこれら疾病の新た治療法の開発に資するため、実験動物学的立場からIL-1ファミリーおよびその下流遺伝子の系統的な遺伝子欠損マウスライブラリーを作製し、それらの遺伝子の機能と相互関係を解析し、生体システムの恒常性の維持や疾病における役割を解明することを目的とした。平成22年度までに当初予定していた5系統の遺伝子改変マウスとは別の新規3系統の遺伝子改変マウスの作製に成功し、平成23年度に選択した遺伝子背景への戻し交配を全て完了した。それらの遺伝子改変マウスを用いた解析を平成23年度に行い、それにより免疫系及び内分泌系におけるIL-1関連遺伝子の機能について興味深い結果が得られた。これまで明らかとなったIL-1関連遺伝子の機能に基づいて自己免疫疾患など疾患モデルを用いて治療応用への可能性の検討も行い、分子標的創薬及び臨床応用への手掛かりを得られつつであった。これまでに開発した遺伝子改変マウスを利用価値の高いバイオリソースとしてホームページ上に公開し、平成20年度から4年間で延べ国内外の当該研究領域の研究者に500件以上の供給を行い、特にIL-1、IL-17遺伝子改変マウスを中心として平成23年度で40報以上の論文を公表した。現在これらの研究成果はNature、Immunityなどを含む雑誌に論文投稿準備中である。
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Research Products
(88 results)