2010 Fiscal Year Annual Research Report
木簡など出土文字資料釈読支援システムの高次化と綜合的研究拠点データベースの構築
Project/Area Number |
20222002
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Research Institution | Nara National Research Institute for Cultural Properties |
Principal Investigator |
渡辺 晃宏 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 史料研究室長 (30212319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 正樹 東京農工大学, 共生科学技術研究院, 教授 (10126295)
耒代 誠仁 桜美林大学, 総合科学系, 講師 (00401456)
馬場 基 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (70332195)
山本 崇 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (00359449)
浅野 啓介 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 史料研究室研究員 (50435905)
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Keywords | 木簡 / 墨書土器 / 出土文字資料 / OCR / データベース / 漢字 / 文字認識 / 画像処理 |
Research Abstract |
1、木簡など出土文字資料の釈読支援システムの高次化 (1)調査者が観察した木簡の情報を効率よく蓄積し整理するためのアノテーションツールを開発した。注釈情報は、CSVファイル・XMLファイルなどさまざまな形式で出力できる。 (2)字体検索の高度化を達成すべく、墨/背景分離のための画像処理研究を行った。その成果は、国際学会ICFHR2010においてITESOFT best poster paper awardを受賞した。また、字体認識技術について、筆の太さの変化による誤認識に頑健な手法を開発し、利用者が筆跡を補完・推定しながら字体検索を行う際の精度向上を達成した。 (3)遠隔地で同時に赤外線による木簡観察を行うシステムについて、Microsoft ShareViewを利用することにより、開発に見通しを得た。 2、木簡など出土文字資料の綜合的研究拠点データベースの構築 (1)木簡字典に研究拠点機能を付与するため、「木簡データベース」と「木簡字典」の共通入力ツールを開発した。「木簡字典」のメタデータ付与に格段の効率化を図ることができた。 (2)木簡人名データベース試用版を研究者向けに公開した。木簡字典へのリンクも実現した。 (3)木簡以外の出土文字資料として墨書土器の文字字典の開発に着手した。次年度公開予定。 (4)木簡字典のFLASH版の公開は、ネットワークのトラブルで実現できなかったが、新たに約5000点の画像を蓄積した。累積文字画像数は約50000点、木簡数で約3000点に達した。 (5)出土文字資料研究拠点データベースの全体像として、文字コードからの入口「木簡字典」、画像からの入口「Mokkanshop」、この二つを中核として、木簡人名データベースを初めとするさまざまな知識データベースを相互に利用できる環境の形成という研究拠点像を策定した。今後、奈文研HPの「木簡ひろば」をその所在地と位置付け、充実を図っていきたい。
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Research Products
(32 results)