2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20224013
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小薗 英雄 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00195728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石毛 和弘 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90272020)
中村 誠 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70312634)
久保 英夫 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50283346)
金田 行雄 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10107691)
石原 卓 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10262495)
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Keywords | keller-Segel系 / タイプI型爆発解 / タイプII型爆発解 / 自己相似解 / 局所存在定理 / Navier-Stokes方程式 / 強エネルギー不等式 / 非斉次境界値問題 |
Research Abstract |
まず,Keller-Segel方程式系の解の局所存在定理と有限時間爆発について考察した.n次元平面領域において,放物型-楕円型の半線型Keller-Segel方程式系のCauchy問題に対して,初期データが可積分およびp-乗可積分空間に属するとき,解の局所存在時間の特徴付けを行った(ただしp>1).また,初期データの全積分量と2次モーメントの比が,解の有限時刻における爆発にどのような影響を及ぼすかを方程式に現れる係数との相関も含めて考察した.応用として,解の爆発時刻付近での漸近挙動は,pに依存して決まる一定の指数オーダーの比率で爆発するのか,あるいは全積分量がある定数以上の振幅で振動するかの二者択一であることを証明した.次に,同方程式の爆発解がタイプI型,すなわち自己相似構造から決定され発散指数に従って時間増大するのか,あるいはそれよりも急激な発散を催すタイプII型であるかを考察した.この問題は差し当たり後方自己相似解の存在・非存在が出発点となるため,本研究では全質量が有限である解のクラス対象とした.実際その範囲で放物-放物型ではすべての次元において,放物-楕円型では3次元以上においていずれも後方自己相似解は存在しないことを証明した. また,3次元の有界領域におけるNavier-Stokes方程式の初期値境界値問題に対して,与えられた境界データの大きさに関らず,強エネルギー不等式を満たす時間大域的な弱解が存在することを証明した. 通常の斉次境界データの場合,このような弱解の運動エネルギーは時間の経過と共にゼロに減衰するが,本研究で得られた弱解については指数増大の可能性を否定できない.しかし,対象とする領域が単連結であれば高々時間に関して一次の増大であることが証明される.
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Research Products
(3 results)