2012 Fiscal Year Annual Research Report
等時性電子周回リングを用いた超短パルスコヒーレントテラヘルツ光源の開発研究
Project/Area Number |
20226003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
濱 広幸 東北大学, 電子光理学研究センター, 教授 (70198795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 俊晴 京都大学, 原子炉実験所, 准教授 (00273532)
鈴木 伸介 公益財団法人高輝度光科学研究センター, 加速器部門, 主幹研究員 (00416380)
田中 均 独立行政法人理化学研究所, XFEL研究開発部門, 部門長 (30393317)
柏木 茂 東北大学, 電子光理学研究センター, 准教授 (60329133)
日出 富士雄 東北大学, 電子光理学研究センター, 准教授 (60292207)
河合 正之 東北大学, 電子光理学研究センター, 准教授 (60374899)
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Project Period (FY) |
2008-05-12 – 2013-03-31
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Keywords | テラヘルツ光 / コヒーレント放射 / 時間領域差分法 / 空間電荷効果 / 熱陰極高周波電子銃 / バンチ圧縮 / アルファ磁石 / アイソクロナスリング |
Research Abstract |
H23年度の大地震被害による高周波系の不具合で研究進行がかなり遅れてしまい、当初の予定であった電子銃からのビーム引き出し実験がH24年度にずれ込んだ。引き出し実験に先だって運動量分析用ビーム輸送路の構築を行なった。目標とする運動量分解能10keV/cを実現するために、アイソクロナスリングで用いるコンパクトで収束作用を持たない-10°偏向磁石を流用し、低電流でも精度の高いファラデーカップを組み合わせた分析路とした。運動量較正のためにもう一台の-10°偏向磁石とシリアルに電源を連結して、常時同じヒステリシスで偏向磁場をホールプローブ測定する構成にしたことで、運動量測定の曖昧さを低減する事ができた。 測定は空間電荷効果が十分に無視できる低電流で最初の測定を行なった。最大の問題は電子銃の2つの空洞の印加電圧と両者の位相差を精度よく較正することであった。このため運動量の絶対値を小さな誤差で測定することと、シミュレーション計算との比較から位相差の絶対値を求めたが、結果的には若干の不確定さが残り、測定誤差を最小にすることが出来なかった。しかしながら得られたスペクトルは定性的には理論予測を良く満足した。また高周波パワーおよび空洞間位相を変えた縦方向位相空間分布操作のデモンストレーションを行なう事ができた。絶対値の曖昧さが残るが運動量分解能はほぼ目標を満たして、相対的には極めて精度の良いスペクトルを得た。解析では印加電圧と位相の絶対値を実験データを再現するように選択したが、これの妥当性に問題はないと判断できた。実験データでの理論的に説明しづらい唯一の課題は電子ビームのピークエネルギーから高エネルギー側に裾をひく大きいバックグラウンドが現れた事である。シミュレーションによる考察では、カソード径を大きくした不合理な条件でのみ再現できることから、残念ながら未解決の課題となった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)