2010 Fiscal Year Annual Research Report
革新的な核融合炉点火領域を目指した超高密度プラズマの生成と制御
Project/Area Number |
20226018
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
山田 弘司 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (20200735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 隆一 核融合科学研究所, 准教授 (10290917)
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Keywords | 核融合プラズマ / 物性実験 / 磁場閉じ込め / 固体水素ペレット入射 / 燃料供給 / 周辺プラズマ制御 / 超高密度核融合炉 |
Research Abstract |
内部拡散障壁による超高密度プラズマの準定常維持条件を調べる為に、スクリュー押出し方式連続ペレット入射装置と20連発パイプガン式固体水素ペレット入射装置を相補的に用いて、超高密度プラズマの準定常維持に及ぼすペレット粒子侵入深さの影響を調べた。この実験により、超高密度プラズマを準定常維持する為には、高速かつ大サイズのペレット入射によるコアプラズマへの直接粒子供給が本質的であることを明らかにした。また、ペレット入射タイミングの実時間制御の参照信号として、参照信号として制動放射光強度を用いることによって、安定した密度の実時間制御ができることを確認した。さらに精密な密度制御のためにレーザー干渉計による密度信号を用いる検討を始め、この信号の不安定性に対する解決に取り組んだ。 プラズマ対向機器への熱負荷低減に関しては、不純物(ネオン)ガスによる放射冷却を利用したプラズマ非接触化実験を系統的に行い、プラズマ対向機器へ流入する熱の20%を放射によって散逸させ、機器へ直接流入する熱負荷を低減できることを実証した。また、周辺密度が高い内部拡散障壁による超高密度プラズマでは、プラズマの外向きの流れに伴う粘性によってネオンガスがコアプラズマ部へ流入することが妨げられるため、ネオンガス印加に伴うコアプラズマの閉じ込め特性劣化は見られないことを明らかにした。 実験で得られた高密度を維持した準定常放電のパラメータから、核融合炉における運転シナリオを外挿するための検討を始めた。プラズマの閉じ込め特性を律速する加熱パワーや磁場強度といったパラメータでプラズマの閉じ込め特性を規格化することによって導いた無次元量による物理相似性から、核融合炉におけるプラズマパラメータを外挿し、固体水素ペレットの溶発モデルと組み合わせることによって、ペレット粒子供給による燃焼制御のモデル化に着手した。
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