2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20227002
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
七田 芳則 京都大学, 理学研究科, 教授 (60127090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今元 泰 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (80263200)
山下 高廣 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (50378535)
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Keywords | 視覚 / 視物質 / 機能多様性 / 分子メカニズム / マウスモデル |
Research Abstract |
交付申請書に記載の実験計画に沿って、下記の実験を行った。 1.昨年に完成した微弱光測定装置を用いて、錐体視物質(マウス緑)の生理温度での反応過程を測定した。その結果、マウス緑の活性状態の寿命は約40ミリ秒であることがわかった。マウス緑をノックインしたマウス桿体視細胞の光感受性は約1/3なので、上記の活性状態の寿命により1/3の光感受性の違いが生じるためには、誌細胞内でのリン酸化の時定数が約80ミリ秒であると推定できた。 2.視細胞の暗ノイズの原因となる視物質の熱活性化を生化学的手法で観測することを試みた。その結果、視物質に由来する暗ノイズとそれらが活性化するGタンパク質へのGTPγSの取り込み量に相関がみられることがわかった。また、1分子観測法を最適化するために、ロドプシンをナノディスクに包埋して分子を分散させることを試み、この試料を用いてシグナルを観測することに成功した。 3.イントロンを含む錐体視物質遺伝子をロドプシンプロモーター下流につないだBACコンストラクトを利用してトランスジェニックマウスを作製した。現在、作製済みのノックインマウスと掛け合わせることで桿体視細胞に異所的に発現する錐体視物質の量の多いマウスをスクリーニングしている。 4.オプシン類は7つのグループに分けられるが、その中でOpn5と名付けられたグループだけがタンパク質の性質が明らかでない唯一のものとして残っていた。本研究において、ニワトリのOpn5について初めてリコンビナント体の作製に成功した。Opn5はこれまでの予想と異なり、紫外線感受性を有し、GiタイプのGタンパク質を活性化することがわかった。
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