2010 Fiscal Year Annual Research Report
遊走細胞と神経細胞の極性形成を制御する分子ネットワーク
Project/Area Number |
20227006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
貝淵 弘三 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (00169377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 崇 名古屋大学, 高等研究院, 特任講師 (10402562)
天野 睦紀 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90304170)
森 大輔 名古屋大学, 医学系研究科, COE特任講師 (00381997)
西岡 朋生 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (70435105)
坪井 大輔 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (80584672)
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Keywords | シグナル伝達 / 遊走 / 細胞骨格 / 極性 / プロテオーム / 微小管 / 脳・神経 / 小胞輸送 |
Research Abstract |
生体を構成する種々の細胞は特徴的な極性を獲得し固有の生理機能を担っている。遊走する細胞、神経細胞や上皮細胞がその顕著な例である。本研究では遊走細胞と神経細胞をモデルシステムとし、細胞極性の獲得・維持機構を制御するシグナル伝達機構の解明を行う。また、細胞極性の形成に関与する細胞骨格と選択的蛋白質・小胞輸送の制御機構の解明を目指す。 本年度は遊走細胞の前後軸形成や維持過程における接着斑のダイナミクスに注目し、解析を行った。我々は接着斑の主要な構成分子であるTalinにRacの活性化因子であるTiam1が結合することを見出しており、接着(インテグリン)依存的なRacの活性化にTiam1のTalinへの結合が必要であることを示した。一方で、Tiam1の結合は接着斑のターンオーバーに影響を及ぼすことも示した。Talinは全ての接着斑に存在するが、Tiam1はリーディングエッジのやや後方部の接着斑に多く局在しており、この部分でRacを活性化してアクチンメッシュワークの伸展を誘導するものと推測される。さらに、FAKを介してPar3やPI3キナーゼが接着斑に局在することも見出しており、接着斑がRacのシグナルの起点として重要な役割を果たすことが示唆される。 また、微小管の+Tipsの1種であるcLIP-170がAMPKによってリン酸化され、その結果微小管のダイナミクスに影響を与えることを見出した。AMPKの阻害や非リン酸化型CLIP-170の発現によって細胞の遊走能が低下し、接着斑のサイズが増大した。このことより、CLIP-170のリン酸化を介してAMPKが微小管や接着斑のダイナミクスを制御していることが示された。
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Research Products
(10 results)