2008 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系細胞の免疫応答に着目した腸肝軸多段階免疫バリアーシステムの研究
Project/Area Number |
20228005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾崎 博 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30134505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 正敏 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (70211547)
佐藤 晃一 山口大学, 農学部, 准教授 (90205914)
鳥橋 茂子 名古屋大学, 医学部, 教授 (90112961)
百渓 英一 独立行政法人農業食品産業総合研究機構, 動物衛生研究所, 上席研究員 (50355145)
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Keywords | 腸肝軸 / 間葉系細胞 / 免疫応答 / 炎症反応 / 平滑筋細胞 / 筋線維芽細胞 / 内皮細胞 / ES細胞 |
Research Abstract |
消化管と肝臓には高度の免疫機構が備わっているが、最近これらの臓器が連携して生体防御に当たると考えられるようになり、腸肝軸(Gu. t-Liver Axis)と呼ばれて注目されている。本研究は、両臓器に分布する間葉系細胞群が免疫細胞との共同作業によって生体防御機構に積極的に関わることを証明することを目的としている。本年度は、10報の論文を公表したが、内容は以下の2点に要約される。 1.間葉系細胞の免疫応答におけるプロスタグランジン(PG)の関与について 炎症応答に関わる因子としてサイトカイン類とPG類は極めて重要である。本年度はPG類とくにPGD2に着目して実験を行い、いくつかの知見を得た。具体的には、消化管粘膜下の筋線維芽細胞において、スフィンゴシン-1-リン酸がIL-1βと共同作業でPG合成酵素であるCOX-2を誘導することを証明した(Am JPhysiol)。また、肝筋線維芽細胞でPGD2が収縮作用を示すことを明らかにした(Eur J Pharmacol)。さらに、マクロファージの遊走にもPGD2が深く関わること(J. PharmacoI Exp Ther)、そしてPGD2が血管内皮細胞における腫瘍細胞の透過性と血管新生の抑制因子であることを発見した(Proc Nat1 Acad Sci USA)。以上の成績から、間葉系細胞のPG応答機能の重要性、特にこれまで研究が行われてこなかったPGD2の役割が浮き彫りとなった。 2.間葉系細胞の分化・発生について 本プロジェクト研究の進展のためには間葉系幹細胞の確立は不可欠である。CDl05を指標として高純度で「間葉系幹細胞」を収集できた(投稿準備中:特許出願:国際特許PCT出願準備中)。また、ペースメーカー細胞(カハール介在細胞)と外縦走筋の分化にPDGFシグナル系が深く関わることを証明した(NeurogastroenteroIMotil)。今後、ES細胞を用いた人工腸管の研究を進めて行くうえで、重要な手がかりとなる。 3,その他、腸間膜動脈に対する胆汁酸の核内受容体FXRを介する長期作用を明らかにし、腸肝軸に関わる液性の生理的因子の1つとしての意義を新たに提唱できた(Am J Physiol)。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Downregulation of CPI-17 contributes to dysfunctional motility in chronic intestinal inflammation model mice and ulcerative colitis patients.2008
Author(s)
Ohama T, Hori M, Fujisawa M, Kiyosue M, Hashimoto M, Ikenoue Y, Jinno Y, Miwa H, Matsumoto T, Murata T, Ozaki H
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Journal Title
J Gastroenterology 43
Pages: 858-865
Peer Reviewed
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