2012 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系細胞の免疫応答に着目した腸肝軸多段階免疫バリアーシステムの研究
Project/Area Number |
20228005
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尾崎 博 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (30134505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 正敏 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (70211547)
鳥橋 茂子 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90112961)
佐藤 晃一 山口大学, 獣医学部, 教授 (90205914)
百溪 英一 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究所, 研究員 (50355145)
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Project Period (FY) |
2008-05-12 – 2013-03-31
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Keywords | 腸肝軸 / 間葉系細胞 / 免疫応答 / 炎症反応 / 平滑筋細胞 / 筋線維芽細胞 / 内皮細胞 / ES細胞 |
Research Abstract |
消化管と肝臓には高度の免疫機構が備わっているが、最近これらの臓器が連携して生体防御に当たると考えられるようになり、腸肝軸(Gut-Liver Axis)と呼ばれて注目されている。本研究は、両臓器に分布する間葉系細胞群が免疫細胞との共同作業によって生体防御機構に積極的に関わることを証明することを目的としている。本年度は、8報の論文を公表したが、プロスタグランジンE2の腸炎における役割について重要な知見が得られたのでこれについて記載する。 脂質メディエータであるプロスタグランジン類、なかでも大量に産生されるプロスタグランジンE2(PGE2)の役割解明は腸炎発症機序として重要である。我々はすでに、腸筋層内に常在するマクロファージが炎症時にiNOSを発現し、これによって生じる一酸化窒素が消化管運動機能を抑制することを明らかにしているが、その詳しい情報伝達系は不明であった。本研究では、PGE2受容体であるEP2とEP4受容体のノックアウトマウスを用いて、cAMP/ERKシグナルを介してiNOS発現を誘導することを明らかにした(Am J Physiol 2012)。さらに、腸上皮細胞の直下に位置して粘膜構造の維持と障害修復に関わる筋線維芽細胞におて、EP2、EP3、EP4受容体を介して細胞遊走を促進する機構の存在を明らかにした(J Pharmacol Exp Ther 2012)。すなわち、PGE2は腸炎時に運動機能を抑制して病態を悪化させる作用と、腸粘膜修復を促進するという二面的な作用を有するメディエーターであることが明らかとなった。 その他、研究分担者によりウシヨーネ病の菌体成分を摂取させることによりヒトクローン病様の腸炎モデルが作成できることも明らかにされた。ミルク中に混入するヨーネ病細菌がヒトクローン病の発症に関係するのではないかとの説もあり注目される(Vet Immunol Immunopathol 2012)。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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