2009 Fiscal Year Annual Research Report
High throughput sequencerによる癌のエピゲノーム解析
Project/Area Number |
20229005
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
西川 伸一 The Institute of Physical and Chemical Research, 幹細胞研究グループ, グループディレクター (60127115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 謙一 財団法人先端医療振興財団, 先端医療センター診療開発部, 部長 (50470208)
樽井 寛 独立行政法人理化学研究所, ゲノム資源解析ユニット, ユニットリーダー (90342815)
伊藤 光宏 神戸大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (50362794)
錦織 千佳子 神戸大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50198454)
松井 利充 神戸大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (10219371)
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Keywords | 骨髄異形成症候群 / メチル化 / DNAメチル化阻害剤 / タイリングアレー / 白血病 / CpGアイランド / CpGアレー / ビスルファイトシークエンシング |
Research Abstract |
メチル化サイトを様々な方法でゲノムワイドに調べ、臨床研究の様々な要求に対応した最も信頼度の高い方法を確定した。方法比較を行う材料としてヒト骨髄異形成症候群細胞株SKM-1を用いた。最初計画した次世代シークエンサーを用いる方法は、情報処理の困難から使用せず、infinium,CpGアレー、全ゲノムタイリングアレーを組み合わせて用いることと決めた。並行して、メチル化サイト濃縮方法を比較し、抗体やmethyl binding proteinを用いる方法より、CHARMと呼ばれる、メチル基を完全に酵素処理して、処理しないDNAと比べる方法が定量性で優れていることを明らかにした。この結果、多くのサンプル解析にはinfinium、或いはCHARM+CpGアレー(CGA)を用い、詳しい解析が必要な場合は、CHARM+全ゲノムタイリングアレー(TA)を用いることに決めた。次に、CGAとTAを比較する目的で、SKM-1細胞の全ゲノムのメチル化サイトを解析した。同じサイトについて2種類の方法で結果が異なることはほぼ皆無で、必要に応じてそれぞれの方法を使えばよいことが確認できた。一部のサイトについては、アレーの結果がbisulfite法の結果に一致することを確認した。TAで検出できるサイトと比べると、CGAで検出できるサイトの数は限られており、また最近重要性が指摘され始めた密度の低いメチル化サイトの検出にはTAが欠かせないことが明らかとなった。より臨床に近い状況で検討するために、SKM-1株を低いメチル化阻害剤存在下で長期培養し、選択的に脱メチル化が起こるサイトをTAとCGAで解析した。配列データの情報処理に時間がかかっているが、選択的に脱メチル化が起こるMDS関連遺伝子を発見するなど、準備実験を超えた極めて重要な知見が得られてきた。今年度中には、情報処理を終え、論文にまとめる予定である。
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Research Products
(15 results)