2012 Fiscal Year Annual Research Report
High throughput sequencerによる癌のエピゲノーム解析
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20229005
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
西川 伸一 独立行政法人理化学研究所, 幹細胞研究グループ, グループディレクター (60127115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 泰司 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (40304943)
錦織 千佳子 神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50198454)
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Project Period (FY) |
2008-05-12 – 2013-03-31
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Keywords | 骨髄異形性症候群 / メチローム / 5アザシチジン / がん抑制遺伝子 |
Research Abstract |
昨年度からようやく5AZ治療患者のメチローム解析が可能になり、今回正常血液3例、MDS患者4例について治療前後の全ゲノムレベルでのメチローム解析を終える事が出来た。勿論症例数は十分とは言えず、また資料が少量であり、結果の信頼性については厳しく評価する必要があるが、幾つかの重要な点が明らかになった。1) メチル化に差が見られるゲノム上の領域(DMR)は、ゲノム全体のごく一部で、CpGの密度には相関しない。DMRの差は、患者間ではっきり認められる一方、5AZ治療によっては大きな差は誘導できていない。2)分類上RCMD1とRAEB2を2例づつ調べたが、メチル化状態は両者で大きく異なっており、重度のMDSほどDMRは高度にメチル化されていた。これは、腫瘍発生に関わるメチル化は、遺伝子特異的に行われている可能性を示唆する。3)DMRは転写因子領域により選択的に存在したが、これらDMRのメチル化程度は5AZ投与では大きな変化を見られなかった。4)正常CD34+細胞と比べた時、腫瘍で強くメチル化が見られるDMRは免疫関連の遺伝子が多い。一人の患者でこの部位が5AZに反応が見られた。臨床的には、この患者は最も治療に反応した。ただ、投与を続けると、メチル化パターンは治療前に戻る傾向が見られた。5)悪性のMDSでメチル化されている遺伝子には、FXYD2(膵島細胞の増殖抑制)Lhx1(CLLでメチル化されていることが知られている)、OTP(乳がんで強くメチル化されている)、WT1(きわめて有名ながん抑制遺伝子、MDSの進展に関わることが知られている)、CD14(AMLの悪性度に関わる)、Nr4a2 (血液幹細胞の増殖抑制に関わることが示されている)などが含まれ、悪性化関連の遺伝子が選択されている。今後は、候補遺伝子で症例数を増やした解析を行い、今回の結果の意義を検証する必要がある
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)