2011 Fiscal Year Annual Research Report
労働者におけるストレス対策を通じたうつ病の第一次予防に関する研究
Project/Area Number |
20240062
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川上 憲人 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90177650)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島津 明人 東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80318724)
宮本 有紀 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (10292616)
森 俊夫 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80210128)
|
Keywords | ストレスマネジメント / 無作為化比較試験 / 産業保健 / 生理指標 / 産業保健心理学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、わが国の一般労働者集団を対象として、うつ病を中心とした気分障害・不安障害の第一次予防(発症予防)における個人向けアプローチと職場環境改善アプローチとを組み合せたストレス対策の有効性を、2.5年間の大規模な無作為化比較試験によって評価する。アウトカムとして、ストレス関連生理指標および仕事のパフォーマンスも評価する。また副次的な目的として、上記ストレス対策の効果が遺伝素因(セロトニントランスポーター遺伝子多型など)によって異なるかどうかを検証する。 平成22年度までに実施したwebを用いた労働者600名を対象とした個人向けストレスマネジメントの無作為化比較研究の結果を集計し、分析した結果、webによる個人向けストレスマネジメントプログラムがうつ病で相談経験のある者では抑うつの軽減に、またワークエンゲイジメントの低い者ではワークエンゲイジメントの増加に有意な効果があることが判明した。この成果を、2012年3月に第30回国際産業保健学会(メキシコ)で報告した。 さらに平成22年度に開発したより効果的なe-ラーニングによる個人向けストレスマネジメントの新しいプログラムを用いて、新たに労働者600名を対象とした無作為化比較試験を実施し、ベースライン調査、介入プログラムの提供、プログラム実施直後の中間調査、6ヶ月後の最終調査を完了した。最終的な解析は平成24年度に実施する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中間解析により、介入の効果が不十分であることが推測されたため、より効果的な介入プログラムを追加開発しその効果を検討することとしたため、研究スケジュールが全体的に遅れているが、最終年度までには予定の研究を完了できる予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成23年度までに収集されたデータを用いて最終解析を行い開発したプログラムの効果を明らかにする。成果を国内、国際学会等で報告する。
|
Research Products
(4 results)