2010 Fiscal Year Annual Research Report
医療事故防止のためのバーチャルリアリティシミュレーター及び教育プログラムの開発
Project/Area Number |
20240070
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 優子 大阪医科大学, 看護学部, 教授 (50284120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤澤 千春 京都大学, 医学研究科, 准教授 (70324689)
櫻庭 繁 京都大学, 医学研究科, 教授 (20114283)
笹山 哲 京都大学, 医学研究科, 准教授 (90215749)
福田 里砂 京都大学, 医学研究科, 助手 (40534938)
鈴木 麻揚 西武文理大学, 看護学部, 講師 (60336493)
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Keywords | 医療事故防止 / バーチャルリアリティシミュレーター / 教育プログラム / 配薬 |
Research Abstract |
【目的】本研究は、医療事故に関する模擬事例体験ソフトを用いたバーチャルリアリティ(VR)シミュレーター及び教育プログラムを開発することを目的としている。平成22年度は、(1)シミュレーションプログラムとオペレーション(操作・試験運用)を評価し、その評価を基に改良を行うこと。(2)VRシミュレーター及び教育プログラム(配薬)の効果検証を行うことを目的とした。【方法】大学院生と研究者5名を対象に、昨年度改良したオペレーションを再評価し、その結果を基に改良を加えた。次に、京都府内にあるA病院の新人看護師12名(平均年齢25.8±5.8歳)を対象に、改良したVRシミュレーター及び教育プログラムの効果検証(ユーザビリティ調査)を行った。手順は以下のとおりである。1.対象者に研究協力の同意を得た。2.対象者にVRを体験してもらった。3.操作性、立体視の動作環境、表現性、有用性等について面接調査、質問紙調査、VR実施時の観察(ビデオ撮影)を行った。VR所要時間は一人15~20分であった。【結果・考察】ユーザビリティ調査の結果、操作性(操作の慣れ、距離感、スムーズ性等)や立体視の動作環境(画面のぶれ、ヘッドマウンドディスプレイの調整等)、表現性については対象者の多くが難しさや不都合さがあると回答した。VR体験時間は83.3%の者が適切であったと回答した。またVR体験によって日常の配薬手順の間違いに気づいたり、配薬時の確認の再認識をしたりするなど、自己の振り返りができていた。以上の結果より、オペレーションにおいては改善の必要性が認められたが、体験を通して学ぶというVRを用いた教育システムは効果が実証された。したがって、思考と運動感覚機能の統合に働きかけるVRシミュレーション教育プログラムは、医療事故防止のための効果的な学習システムであり有用性があると考えられた。
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Research Products
(4 results)