2009 Fiscal Year Annual Research Report
有機フッ素化合物など強難分解性物質の水・汚泥処理系における挙動と新分解法開発
Project/Area Number |
20241021
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
尾崎 博明 Osaka Sangyo University, 工学部, 教授 (40135520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 正孝 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (60026119)
白川 卓 神戸大学, 医学部, 准教授 (30171044)
山田 修 大阪産業大学, 工学部, 教授 (10140203)
濱崎 竜英 大阪産業大学, 人間環境学部, 准教授 (50340617)
谷口 省吾 大阪産業大学, 新産業研究開発センター, 研究員 (40425054)
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Keywords | 有機フッ素化合物 / PFOA / PFOS / 強難分解性物質 / バイオアッセイ / 電気分解 / 間接熱脱着法 / LC / MS / MS |
Research Abstract |
本研究では、世界的に問題になっているPFOS(Perfluorooctane sulfonate)、PFOA(Perfluorooctanoic acid)などの有機フッ素化合物等の強難分解性物質を対象とし、通常の水処理方法では分解できないこれらの物質を高効率に除去する技術の開発等について検討するとともに、PFOSの遺伝子発現に及ぼす影響ついて検討を加えた。得られた成果は以下の通りである。 1.PFOAについては従来、紫外線による分解の有効性が示されていなかったが、185nmの紫外線を含む低波長紫外線を照射したところ、PFOAは約97%が分解し、254nmの紫外線のみの場合と比較して約59%分解率が向上することがわかった。また、分解は分子中の-COOHが分離した後、炭素が順に切り離され低分子化していくと推定される結果を得た。これらの結果は極めて斬新で有用な知見である。 2.PFOAとPFOSは、電気分解法によりそれぞれ90%以上が分解し、分解時には溶液中へのフッ素の脱離とイオン化がみられたことから、分解は脱フッ素を伴い行われることが新たに明らかになった。また、下水二次処理水中でもPFOAとPFOSは同様に分解されることを確認した。 3.土壌中のPFOSとPFOAは400℃以上の加温による間接熱脱着法により90%以上分解することを明らかにした。。この際、PFOAでは400℃で、またPFOSでは600℃で分解物として多くのフッ素化合物が検出され、無機化が進むことがわかった。 4.培養細胞に100μMのPFOSを24時間曝露した後、定量PCRを用いて遺伝子発現の変化を測定した結果、脂肪酸の取り込みに関与するL-FABPの発現では減少傾向が、脂肪細胞分化に関与するCPT1A、ACSL1、ADRPの発現では増加傾向がみられ、PFOSは遺伝子発現に影響することを示す知見が得られた。
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Research Products
(24 results)