2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20241055
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大澤 良 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 教授 (80211788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津村 義彦 森林総合研究所, 森林遺伝研究領域, 室長 (20353774)
鷲谷 いづみ 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (40191738)
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Keywords | サクラソウ / 適応的遺伝子 / ESTマーカー / QTL解析 / 遺伝子連鎖地図 |
Research Abstract |
野生サクラソウを対象として、QTL解析および発現遺伝子情報であるEST情報に基づくマーカーによるゲノムワイドな探索によってサクラソウの持つ適応的遺伝子を同定することを目的としてESTマーカーおよびSSRマーカーの開発、連鎖地図作製、それらに基づく量的形質遺伝子解析による適応的遺伝子の同定ならびに各地での個体群構造の把握を行った。 適応関連形質である出芽に着目し、量的形質の集団間分化程度であるQSTと分子マーカーによる分化程度であるFSTを比較したところ、従来FSTによって支持された保全単位とは異なる保全単位が見出された。これは野生集団の保全事業においてDNAマーカーのみに依存するべきではないことを示唆するものである。また、集団の存続に影響を与える異型花柱性についてQTL解析を進め、関連する染色体領域を特定した。その結果、質的遺伝をする主要遺伝子領域の他に、柱頭高、葯高などに関与する複数のQTLを同定することができた。これらの結果は、従来明らかにされていた異型花柱性の遺伝様式に新たな解釈を与えるものである。また、これらのQTLに連鎖するDNAマーカーにより未開花個体の異型花柱性判別が可能となった。
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