2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20242004
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Research Institution | Nara National Museum |
Principal Investigator |
湯山 賢一 Nara National Museum, 館長 (00300690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 厚 , 学芸部長 (10167570)
鈴木 喜博 , 学芸部上席研究員 (30416408)
岩田 茂樹 , 学芸部美術室長 (20321622)
内藤 栄 , 学芸部工芸考古室長 (40290928)
中島 博 , 学芸部情報サービス室長 (40198073)
稲本 泰生 , 学芸部企画室長 (70252509)
吉澤 悟 , 学芸部教育室長 (50393369)
宮崎 幹子 , 学芸部資料室長 (50290929)
永井 洋之 , 学芸部研究員 (20466303)
谷口 耕生 , 学芸部研究員 (80343002)
野尻 忠 , 学芸部研究員 (10372179)
清水 健 , 学芸部研究員 (80393370)
岩戸 晶子 , 学芸部研究員 (50359444)
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Keywords | 仏教美術 / 奈良時代 / 東アジア |
Research Abstract |
奈良朝仏教美術の重要作品に関する基礎資料を学界の共有財産として提供するという、本研究の第一の目的に鑑みてメンバー間で討議を重ねた結果、研究の当面の目標を以下の三つのテーマに設定し、一次的研究の体制を構成する五班(研究計画調書に記載)の分掌を以下の如く割り振ることで合意に達した。 (1)東大寺金堂鎮壇具について、蛍光X線分析を中心とした光学的調査と実測図作成を行って基礎データを集積し、素材・技法の精確な認識と制作地の解明を目指す。工芸班(C班)、考古班(D班)担当。(2)東大寺法華堂乾漆諸像の修理時に(財)美術院によって35mmフイルムで撮影された大量の彩色文様の写真を画像データ化して分析・検討を加え、制作年代及び当初の安置状況の解明を目指す。彫刻班(A班)、絵画班(B班)担当。(3)奈良国立博物館所蔵及び寄託の古写経を調査して基礎データを集積し、料紙の分析などを行って、国籍問題の解決を目指す。書跡班(E班)担当。 20年度におけるそれぞれの進捗状況と成果は以下の通り。 (1)可搬式蛍光X線分析装置を購入し、東大寺金堂鎮壇具の金属器の一部について成分分析を実施した。機材の仕様、支持具及び調査対象物を載せるステージの設計などに関する検討を重ねた関係で、実際に調査できたのはごく一部だが、次年度以降の調査を円滑に進められる態勢を整えることができた。(2)素材となる写真資料の撮影者である美術院、作品所蔵者である東大寺との間で検討を重ね、資料の取扱に関する覚書を締結した。これを踏まえて画像データ化及びデータ加工作業を行い、その大部分を完了した。この結果次年度以降、データにさらなる改良を加え、本格的な分析検討を行うための態勢が整った。(3)については奈良博館蔵品の古写経から調査に着手し、基礎データの集積を行った。 また本研究が目標とする、東アジア世界における奈良朝仏教美術の位置づけに関しては、2月に当館職員2名を中国・陜西省に派遣し、各地で奈良朝美術工芸品の比較材料となる資料を蒐集した。さらに当初は年度末に外国人研究者を招聘して国際研究集会を開催する予定であったが、計画を変更して、3月10日に岡田健氏と高林弘実氏を東京文化財研究所から招へいし、研究会を実施した。両氏には敦煌壁画の科学的調査に関する研究発表を行っていただき、科研メンバーしの間で活発な意見交換がなされた。
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Research Products
(5 results)