2011 Fiscal Year Annual Research Report
小、中、高、大の一貫する英語コミュニケーション能力の到達基準の策定とその検証
Project/Area Number |
20242011
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
投野 由紀夫 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (10211393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根岸 雅史 東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (50189362)
尾関 直子 明治大学, 国際日本学部, 教授 (00259318)
中谷 安男 法政大学, 経済学部, 教授 (90290626)
中野 美知子 早稲田大学, 総合科学学術院, 教授 (70148229)
相川 真佐夫 京都外国語大学, 外国語学部, 准教授 (60290467)
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Keywords | 英語教育政策 / 到達度指標 / CEFR / 小学校英語活動 / 小中高大連携 / 第2言語習得研究 / シラバス開発 / 習熟度調査 |
Research Abstract |
最終年度にあたる今年度は、欧州言語共通参照枠(CEFR)の日本に適用したCEFR-Jの検証作業を中心に研究を行った。検証作業の柱は、小中高大の英語教員約150名を対象に行ったディスクリプタ並べ替え調査、および中高大5,468名(中学1,685名、高校2,538名、大学1,245名)の英語学習者に対するCEFR-Jベースの「can do調査」とその結果の項目応答理論による分析である。これらの2つの検証作業の結果、CEFR-Jβ版をさらに改善し、能力記述文の順序に関する補正を行った結果、CEFR-J Version1として2012年3月に正式公開をした。 これらの検証作業と並行して、can do調査の妥当性を調査するため「できると思っていることと実際にできるのか」の差を見るための実験をCEFR-J主要5技能に関して実施した。その結果、can do調査の妥当性が確認される結果が出た一方で、can doからタスク作成のプロセスで教員側にタスク・イメージの揺れが大きい項目や、生徒の側のイメージが教員のイメージとずれているような事例が観察された。これらを踏まえた、より具体的なcan doディスクリプタの内容を示すexemplarの重要性が指摘された。 また規模は小さかったが、大学、中学、小学校における学校活用パイロットも実施した。 CEFR-J Version1の公開にあわせて、付属する活用資料の作成も行った。CEFR-Jのレベルごとの学習語彙を示す"CEFR-J Wordlist"およびCEFR-Jを活用するための「Can doリストデータベース」である。 これら補足資料を含めた一般公開のための専用のwebサイト(http://www.cefr-j.org)を立ち上げ、かつ、文科省の後援を得てブリティッシュ・カウンシルと共催で3月9,10日に「新しい英語能力到達度指標CEFR-J公開シンポジウム」と題して明治大学を会場に最終報告会を開催、約200名の参加者を得て盛会のうちに終わった。
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Research Products
(90 results)