2009 Fiscal Year Annual Research Report
グローバルヒストリー研究の新展開と近現代世界史像の再考
Project/Area Number |
20242013
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
秋田 茂 Osaka University, 文学研究科, 教授 (10175789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水島 司 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (70126283)
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Keywords | グローバルヒストリー / 長期の18世紀 / 東アジァの奇跡 / 経済発展経路 / 経済援助計画 / アジア世界史学会 / 国際研究者交流 / 多国籍 |
Research Abstract |
1. 「長期の18世紀」の世界史像をアジア側から再考するため、2009年8月の国際経済史学会(オランダ・ユトレヒト)において、"Asian Port-cities and its Hinterlands"と題するセッションを組織した。討議の結果、(1) アジア商人の主体性に支えられた海外貿易の拡張、(2) 現地の政治権力と土地制度からの制約と規定性(歴史的径路依存性)、を確認した。成果を英文著書として刊行するために、11月および2010年3月に験会議を開催し、近世アジア特有の商品連鎖(Commodity chains)を確認した。 2. 20世紀後半の「東アジアの奇跡」(経済的再興)の歴史的起源を考察するために、同じく国際経済史学会において、東北学院大学の研究グループと共催で、1950-60年代のアジア国際秩序と工業化、経済援助計画を総合的に検討するセッションを組織した。討議の結果、(1) 1950年代末の南アジア諸国のスターリング残高激減に伴う援助政策の変容、(2) インド(ネルー)側の主体性、(3) 冷戦体制との連動性を確認し、脱植民地化、冷戦体制、アジアナショナリズムの相互連関性をさらに探求することにした。 3. 2008年度に立ち上げた国際学会「アジア世界史学会」(AAWH : Asian Association of World Historians)の大阪会議(2009年5月29-31日)での討議成果を、CD-ROM版Proceedingsとして刊行した。同時に、Working Papersを6冊刊行した。
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Research Products
(11 results)