Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯山 賢一 独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, 館長 (00300690)
林 譲 東京大学, 史料編纂所, 教授 (00164971)
柳原 敏昭 東北大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (30230270)
橋本 雄 北海道大学, 大学院・文学研究, 准教授 (50416559)
小島 浩之 東京大学, 経済学研究科, 助手 (70334224)
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Research Abstract |
東国文書調査と東アジア諸国文書調査の成果と研究上の知見は以下の通りである。 1.東アジア諸国における古文書料紙については原本を顕微鏡で調査し,以下の成果を得た。(1)早稲田大学図書館の朝鮮李王朝時代の土地売券が楮紙である。(2)那覇市歴史博物館尚家史料の王府行政文書は楮紙(百田紙),竹氏,芭蕉紙であることが確認され,楮紙は主に薩摩藩から,竹紙は中国,清から輸入され,芭蕉紙は琉球で生産された。 2.東アジアの古文書料紙に関する問題関心を共有するために平成20年12月東京大学にて東アジア古文書料紙日韓共同研究集会を開催した。招聘した韓国研究者からは「韓国古文書と礼制体制」(清州博物館,朴竣錆),「朝鮮時代における倭紙の記録について」(公州博物館,宣承慧)の報告があり,日本側では「日本における古文書料紙の変遷」(湯山賢一),「東京大学総合図書館所蔵明代勅命について」(小島浩之)「日本前近代文化財諸料紙の復元製作」(大川昭典,研究協力者)等を発表したが,これをホームページ〔山本隆志研究室〕で公表している。また那覇市歴史博物館尚家史料調査には中国から北京清華大学,劉暁鋒を招聘して,国際研究者交流をはかった。 3.東国地域の古文書では新潟県立歴史博物館の色部文書等,茨城県立歴史館の芹沢文書,東北大学図書館の秋田家史料について,原本の顕微鏡検査を実施し,東国では室町時代から極紙を料紙とした文書が少なからず認められること,また戦国期には横内折の封が通交を目的とした文書には多く認められることが確認されたが,平成21年度調査での進展が期待される。 4.古文書料紙復元実験として,高知県立紙産業技術センターにて,原料楮を5mmに切断したものを混ぜて抄紙した結果,混ぜる割合が高い程紙質が滑らかになることが判明した。
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