2009 Fiscal Year Annual Research Report
東国地域及び東アジア諸国における前近代文書等の形態・料紙に関する基礎的研究
Project/Area Number |
20242016
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山本 隆志 University of Tsukuba, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (50191416)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯山 賢一 独立行政法人文化財機構, 奈良国立博物館, 館長 (00300690)
林 譲 東京大学, 史料編纂所, 教授 (00164971)
柳原 敏昭 東北大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (30230270)
橋本 雄 北海道大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (50416559)
小島 浩之 東京大学, 大学院・経済学研究科, 助手 (70334224)
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Keywords | 研究者国際交流 / 顕微鏡検査 / 漉き返し / 填料 / 楮紙 / 竪切紙 / 製紙技術 / 奉書紙 |
Research Abstract |
今年度の東国文書調査及び東アジア諸国文書の調査で得た成果は、以下の通りである。 1東アジア諸国文書については、中国の清華大学人文学院劉暁峰副教授蒐集および済南建築大学蒐集の清代土地売券を顕微鏡調査して、楮を中心とした漉き返し紙が多いとの知見を得た。 2平成22年3月、北京の中国自然科学史研究所にて研究集会を開催し、東アジアでの紙製作がどのように広がったか、中国人研究者と日本人研究者との研究発表を行い、意見交換し、研究者国際交流を推進した。日本側からは山本隆志が本研究の趣旨・目的も発表し、湯山賢一「日本古代の料紙」・富田正弘「日本中近世における公文書料紙の特徴」・大川昭典「典具帖紙の製作過程」の発表、中国側からは蘇栄誉「紙の伝播について」・方暁陽「現代宣紙の表面分析」・陳松「中国の製紙技起源についての再検討」の研究がそれぞれ発表され、活発な議論を行った。 3高知県紙産業技術センターにて、雁斐紙の製作実験をおとなった。原料を雁斐のみの場合、填料に米粉を20%入れた場合、同40%の場合など、それぞれを製作した。 4東国地域文書では、前年度につづき、新潟県立歴史博物館色部文書を顕微鏡調査し、楮紙が多いこと、通常の切紙のほか竪切紙で横内折が戦国期に目立つ様になるなどの知見を得た。また東北大学付属図書館秋田家史料調査では慶長期の書状は奉書紙に近づきつつあること等の知見を得た。
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Research Products
(22 results)