2011 Fiscal Year Annual Research Report
東国地域及び東アジア諸国における前近代文書等の形態・料紙に関する基礎的研究
Project/Area Number |
20242016
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山本 隆志 筑波大学, 人文社会系, 教授 (50191416)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯山 賢一 独立行政法人国立文化財機構, 奈良国立博物館, 館長 (00300690)
林 譲 東京大学, 史料編纂所, 教授 (00164971)
柳原 敏昭 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (30230270)
橋本 雄 北海道大学, 大学院・文学研究科, 准教授 (50416559)
小島 浩之 東京大学, 大学院・経済学研究科, 講師 (70334224)
|
Keywords | 色部文書 / 竪切紙 / 横内折 / 遠藤山城文書 / 切断した楮 / 粘剤 / 韓紙 / 教旨 |
Research Abstract |
平成23年度の研究の主な成果は以下の通りである。東国文書のうち、新潟県立歴史博物館所蔵色部文書については、本来は一体であった文書が米沢市上杉博物館に所蔵されているのを、原本調査して、形態・料紙ともに同様な傾向であることを確認した。また白石市遠藤山城家文書を調査し、戦国末期の書状には東国的特徴の竪切紙・横内折が多く見られることが確認できた。高知県紙産業技術センターでは、(1)ソーダ灰15%で煮た三椏2kg、(2)3mmに切断してソーダ灰で煮た三椏2kg、(3)3mmに切断した楮と雁斐を7対3で配合した原料1kg、(4)切断しない楮と雁斐を7対3で配合した原料にして、粘剤はいずれもビナンカズラ、にて実験製作し、これらの手法での製作が可能であることを実験的に確認した。韓国紙調査として、安東柳氏宗家文書(儒教文化博物館)の原本紙質調査、また丹丘製紙で韓紙の紙漉視察、安東金氏文書(忠州博物館)原本紙質調査、清州古印刷博物館で所蔵史料の原本紙質調査を行ったが、韓国での伝統的紙漉が縦長の大きな紙を漉くこと、原料が楮であり、その繊維が切断されていること、などが確認された。縦長の大きな紙は5・6枚が重ねられて高官任命の教旨に用いられ、下級官吏任命には半分・四分一に切断されて用いられている。朝鮮時代の重ね紙が対馬や長州でも見えるが、その製法を確認できた。
|
Research Products
(17 results)