2009 Fiscal Year Annual Research Report
倉富勇三郎日記研究―IT応用新研究支援ツールの導入による全文翻刻と注釈の作成
Project/Area Number |
20242017
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永井 和 Kyoto University, 文学研究科, 教授 (40127113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河西 秀哉 京都大学, 大学文書館, 助教 (20402810)
桂川 光正 大阪産業大学, 人間環境学部, 教授 (30177422)
佐野 方郁 大阪大学, 日本語日本文化教育センター, 准教授 (10403205)
小山 俊樹 立命館大学, 文学部, 講師 (90454503)
三川 譲二 舞鶴工業高等専門学校, 人文科学部門, 教授 (40259891)
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Keywords | 倉富勇三郎日記 / 倉富勇三郎 / 枢密院 / 宮中 / SMATR-GS |
Research Abstract |
1.当初の計画では、平成21年秋に大正8、9年分の日記を国書刊行会から『倉富勇三郎日記』第1巻として印刷刊行するはずであったが、翻刻に不備があるのがみつかったのと、印刷刊行のための整形とに時間がとられ、刊行が大幅に遅れることになった。現在第1巻は初校の校正が完了した段階であり、刊行は1年遅れて、平成22年末になる見込みである。 2.第1巻の刊行の遅れにより、第2巻以降の刊行計画も遅れが生じており、現在大正10年分、11年分が翻刻を終わり、校閲と注釈付けにまわっている。大正12年分の翻刻はあと少しで終了するところまでいっている。 3.本研究のWebページに掲載している大正8年の倉富日記の「李太王毒殺説の風説」に関する記述が、韓国ソウル大学校の李泰鎮教授の目にとまり、「李太王毒殺を裏づける決定的証拠」とする説が発表され、ハワイ大学でおこなわれた学会でも報告がおこなわれた。その説は韓国内で注目され、マスコミにも報道された。研究代表者の永井は韓国放送局(KBS)の取材を受け、8月15日の特別番組で放送された。李教授の説については、アメリカ留学中の前年度の研究分担者であったLee Sungyupが詳細な批判論文を書き、この問題に関するわれわれの立場を明確に示した。 4.京都大学で開催された「文化とコンピュータ」国際会議で、コンピュータを駆使sした新しい人文研究のき例として、「SMART-GSを用いた協働翻刻」の展示発表をおこなった。また、『日本経済新聞』2010年4月17日号の文化欄に「デジタル人文学」の一例として紹介された。
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Research Products
(6 results)