2010 Fiscal Year Self-evaluation Report
The Study of Kuratomi Yuzaburo's Diary ; Making a full text transcription with some annotations by a new ITC research tool.
Project/Area Number |
20242017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Research Field |
Japanese history
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
NAGAI Kazu Kyoto University, 文学研究科, 教授 (40127113)
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Project Period (FY) |
2008 – 2012
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Keywords | 近現代史 / 倉富勇三郎 |
Research Abstract |
(1)『原敬日記』に匹敵する日本近代政治史研究上の第一級史料である倉富勇三郎日記(原本は国立国会図書館憲政資料室所蔵)を全文翻刻し,注釈と解説をほどこすこと,それによって難解な手書き文字で書かれているため,ごく限られた少数の研究者たちだけしか利用できなかったこの貴重な歴史資料を,学界のみならず,日本国民さらには世界中の共有財産とすること,これが本プロジェクトの目的である。 (2)翻刻した日記を学術図書として出版することが第2の目的である。 (3)倉富日記の翻刻作業を進めるにあたって,京都大学文学研究科の情報・史料学研究室が開発を進めている文献学・史料学研究用の新しいツールSMART-GSを使用する。SMART-GSはデジタル画像化された手書き文字資料の翻刻と解析のための新たなITC研究支援ツールである。これを利用して倉富日記の翻刻をおこない,このツールが実用にたえるものであることを検証するとともに,手書き文書の読解を必須のものとする歴史研究において,新たな技法の確立にむけて実験をおこなうことが,本プロジェクトの第3の目的である。 (4)翻刻した倉富日記を史料として用い,1920年代から1930年代の日本政治・外交史および精神史にかかわる,いくつかの重要なテーマについて研究をおこなう。それが第3の目的である。そのテーマとしては,倉富日記にみる宮中問題の研究,倉富日記にみる天皇の政治権力と権威の研究,倉富日記にみる政党政治期の司法官僚と政治の研究,倉富日記にみる中国問題・中国認識の研究,倉富日記にみる朝鮮植民地支配の研究等があげられる。
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Research Products
(10 results)