2010 Fiscal Year Annual Research Report
コミュニティ自治の国際比較的網羅的データベース構築に向けた基礎研究
Project/Area Number |
20243003
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
名和田 是彦 法政大学, 法学部, 教授 (30164510)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗野 隆俊 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (60324563)
高村 学人 立命館大学, 政策科学部, 准教授 (80302785)
細井 保 法政大学, 法学部, 教授 (40440094)
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Keywords | 基礎法学 / 都市内分権 / コミュニティ / 協働 / 公共 |
Research Abstract |
研究課題の3年目で、研究の取りまとめに向かって実証的研究を大いに進展させるべき年度であった。 1.国際比較研究によって日本のコミュニティ自治の理論的把握に必要な視座を精緻化する作業は、これまでの年度と同様、ドイツ、オーストリア、イギリス、アメリカ、韓国などで調査を行い、かつ2回にわたる研究打合せの中でかなり進展した。コミュニティ・レベルの国際比較においては、通常の福祉国家類型論などで着目される所得保障や医療制度などの公共サービスではなく、身近で軽易な公共サービス(「コミュニティ・ニーズ」)に着眼することが重要であるとの着想を得、論文にまとめることを通じて理論的に整理した。 2.網羅的データベース試作の作業については、昨年度行った、インターネット情報で分かる限りで各県ごとに各市町村の取組を調査・整理する作業を継続させ、かつ研究打合せにおいて、データベース設計の基礎的検討を行った。 3.いくつかの市町村の自治体内分権的な取組を実地に調査するとともに、上越市と宮崎市という、地域自治区制度採用自治体として代表的な自治体について、個々の地域自治区を共通の調査項目に従ってほぼ悉皆的に調査するという大きな成果を上げた。研究分担者、連携研究者はもちろん、多くの研究協力者の力も得て、量的にも質的にも画期的な調査ができた。この両者は、各コミュニティにおける「協働」の仕組みにおいて異なった類型を示しており、これまで「住民組織の二重化」とよんできた仮説に、若干の変更を迫るものであった。 4.横浜市港南区における地域調査も引き続き行い、日本の地域社会の事例研究として取組むことで、コミュニティ自治が機能する現場の諸問題について認識を深めた。 以上の点において、次年度(最終年度)に研究課題を完遂できるだけの基盤が整えられたと考えている。
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Research Products
(10 results)