2010 Fiscal Year Annual Research Report
有機的ヴィジョンの構想力と経済統治のデザイン:世紀末~戦間期経済思想の国際比較
Project/Area Number |
20243015
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
深貝 保則 横浜国立大学, 経済学部, 教授 (00165242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 智香子 東京外国語大学, 地域文化研究科, 准教授 (10274680)
栗田 啓子 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (80170083)
高 哲男 九州産業大学, 経済学研究科, 教授 (90106790)
西沢 保 一橋大学, 経済研究所, 教授 (10164550)
矢後 和彦 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (30242134)
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Keywords | 有機的ヴィジョン / 社会進化論 / 経済統治 / 新自由主義 / 世紀末 / 戦間期 |
Research Abstract |
19世紀終盤以降、「進歩」と「自由」を軸にした先進国の経済統治の枠組は大幅に修正を迫られた。当該時期の統治および社会編成をめぐる思想基盤において有機的なヴィジョンを持った構想力の意義に着目するという課題の具体化として、2011年3月にアメリカの思想状況を中心論点とするワークショップを開催した。 このワークショップには、自由と人間の認識能力との関わりをめぐり市場的秩序の根拠を掘り下げた思想家フランク・ナイトをめぐって、ロス・エメット教授(ミシガン州立大学)を招いた。また、1930年代から戦後にかけての全体主義的傾向と自由との緊張を検討するために、若手のデイヴィッド・シープレイ助教授(デンバー大学)の参加・報告も得た。 また、いくつかの日程的な事情のなかで調整を経て、次年度への繰越手続きのもとでマイケル・ブリーデン教授(オックスフォード大学)を招いた。とくに、19世紀末から20世紀末初頭にかけてのブリテンにおける有機的ヴィジョンについて、類型的に整理する知見を得た。併せ、研究組織メンバーによる複数国の知の文脈をめぐる横断的な比較検討について、討論をおこなった。 上記2つの機会においては、研究組織メンバー複数名も英文で報告をおこなうことを通じて、19世紀後半以降の進化論における浸透や優生学の登場、都市における居住とコミュニケーションを軸とする設計思想の展開、国際的な調査期間の意義および社会制度における組織の役割を重視する思考などに焦点を当てて考察を進めることができた。
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Research Products
(14 results)