2010 Fiscal Year Annual Research Report
雰囲気制御時間分解表面内殻分光法の開発と動的表面プロセスへの展開
Project/Area Number |
20245004
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
近藤 寛 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (80302800)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 真明 慶應義塾大学, 理工学部, 助教 (00582206)
雨宮 健太 高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 准教授 (80313196)
松田 巌 東京大学, 物性研究所, 准教授 (00343103)
|
Keywords | 化学反応 / 表面・界面 |
Research Abstract |
本研究課題では、超高真空から大気圧に近い圧力までの幅広い圧力下において、時間分解内殻分光測定ができるシステムを開発し、表面で起こる動的過程のメカニズムの解明に応用することを目的としている。最終年度にあたる今年度は、これまで高エネルギー加速器研究機構・放射光科学研究施設において開発してきた差動排気型電子エネルギー分析器装置を用いて、大気圧に近い圧力でなければ進行しない表面過程を観測し、そのメカニズムを解明することに応用した。具体的には、(1)Pd表面における準大気圧雰囲気下でのCO酸化反応、(2)Ag表面における酸素によるエチレンのエポキシ化反応、(3)TiO_2の高温アンモニア雰囲気処理によるNドーピング過程の研究を行った。(1)では、大気圧に近い圧力下でのCO酸化反応に高活性なのはPd金属ではなくPd表面酸化物であることを明らかにし、(2)ではエチレンエポキシ化に活性な酸素が分子状表面酸素である可能性があることを見いだした。(3)ではTiO_2置換窒素が増大するにつれて価電子帯上端の窒素由来の状態密度がフェルミレベル方向に伸長する様子をリアルタイムでとらえることに成功した。さらに、この電子エネルギー分析器の検出系に外部からゲート信号をかけられるように改造し、規定したタイミングとゲート時間幅で光電子の信号を取得できる測定システムへの高度化を行った。併せて、光源としての放射光X線に加え、検出器へのゲート信号に同期したパルスレーザーを試料に照射できるように改造を加えた。これらの改造により、レーザー照射をトリガーとする準大気圧下ポンプ・プローブ時間分解光電子分光実験が可能になった。
|
Research Products
(9 results)