2010 Fiscal Year Annual Research Report
ダブルハイドレート生成に関する熱工学的研究(エネルギー利用の新技術確立に向けて)
Project/Area Number |
20246040
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
森 康彦 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90051888)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泰岡 顕治 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40306874)
大村 亮 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (70356666)
|
Keywords | クラスレート水和物 / ガスハイドレート / ダブルハイドレート / エネルギー輸送・貯蔵 / 結晶成長 / 熱工学 / 分子動力学シミュレーション / 熱力学シミュレーション |
Research Abstract |
下記項目について研究を実施した. 1.結晶成長のモルフォロジー観察実験:前年度にはHFC-32+シクロペンタン+水系におけるダブルハイドレートの結晶成長挙動を明らかにした.HFC-32はシクロペンタンにモル分率にして0.2程度と比較的大きな溶解度を有する.本年度はシクロペンタンに対してより小さな溶解度を有するクリプトンを用いてシクロペンタンとのダブルハイドレートの結晶成長観測実験を実施し,気体ゲストの液体ゲスト相への溶解度が結晶成長に及ぼす影響を明らかにした. 2.結晶生成に関する大規模分子動力学シミュレーション:水和物が生成し得る条件のもとにおける純メタン+水系の大規模分子動力学シミュレーション結果を学術誌論文にまとめた(第11項〔雑誌論文〕5件目参照).ここでは三種類の水分子の剛体モデル種類を用い,表面張力の圧力依存性について調べた.また,溶解度等,他のいくつかの物理量についても計算結果を提示した. 3.高速生成実験:前年度に引き続き,"噴霧・液膜衝突"と"二液対向噴流衝突"の二方式について実験的な検討を行った.前者については,メタン+デカンの組み合わせによる構造IIダブルハイドレートの生成実験に加え,メタン+メチルシクロヘキサンからの構造H水和物の生成実験を行った.後者については,ノズル部の構造を全面的に改変した上で,上に対応する水和物の生成実験を行った.以上に加え,界面活性剤の添加によるメタン90%+エタン7%+プロパン3%混合ガスからの水和物生成促進についても実験研究を実施した. 4.混合ガスからの連続生成に関する実験とシミュレーション:前年度に改良した水和物生成装置からの周期的ガスサンプリング手法を用い,メタン90%+エタン7%+プロパン3%混合ガスからの水和物生成実験を行った.その結果を先に確立した熱力学シミュレーション手法による予測と比較し,概ね良好な一致を確認した.
|
Research Products
(10 results)